湧き上がるタイトル獲得への想い　「何も残せていないと少し怖くなった」

　そして東は、2017年シーズンを最後にクラブの一時代を築いた石川直宏や羽生直剛がスパイクを脱ぎ、チームの世代交代も進むなかで変化の象徴となれるか、そこに自らの存在意義を見出そうとしている。

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「正直な話、ナオさん（石川）とかニュウさん（羽生）のような身近で一緒にやってきた選手が、いざ引退となった時に自分と置き換えて考えた。そしたら『あれ、このまま終わってよいんだろうか、何も残せていない』と少し怖くなった。サッカー選手として、やっぱり悔いが残ると思った。このまま終わっちゃうと、何もタイトルを獲得できなくて、日本代表でも1試合にも出たことがない。そんなの嫌だなと、真剣に考えるようになった。『悔いがないようにしよう、自分がやりたいことをやりきろう』というふうに変わった。タイトルを獲れずに現役生活を終える人たちのほうが多いと思う。だけれど、そこへの思いは改めて強くなった」

　その想いが満たされるとすれば？――その問いかけに、東が「うーん」と唸って口を突いて出たのが、この答えだった。

「東京で主力としてリーグ制覇を成し遂げて、『あいつ良かったよね、あいつがいたから優勝できたよね』と言われた時かな」

　キャプテンとして叶えたい目標は一つだけだ。握り締めたシャーレを掲げ、歓喜の声を上げる。首都クラブに、真のリーダーが誕生するのは、その瞬間を迎えた時かもしれない。

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