“無敵艦隊”が散った要因は「プレースタイル」ではなく「選手選考」にあり スペインのパスサッカーは終わらない
パフォーマンス低下が目立ったカシージャス
もう一つの衝撃がキャプテンのGKイケル・カシージャスのパフォーマンスだ。ハイクロスに触れずにヘディングを決められた3失点目や、バックパスの処理ミスをファンペルシに拾われた5失点目など、直接的に失点に絡む姿は、世界最強の守護神にふさわしいものではなかった。村松氏もカシージャスについて「落ちている」と分析する。
「感覚系、敏捷系、天才系のカシージャスは、やはり年齢と共にパフォーマンスが落ちているのでしょう。レアル・マドリードでのレギュラー争いでディエゴ・ロペスに負けていることがその証拠といえます。ただ、所属チームでレギュラーではないGKを起用したのは監督ですから、今回のカシージャスのパフォーマンスの低さはカシージャス本人の責任というよりも彼を起用した監督の責任だと思います」
シャビを外して臨んだ第2戦のチリ戦でも、スペインの調子は上向かなかった。この試合で目立ったのがダブル・ボランチのセルジオ・ブスケツとシャビ・アロンソのボールロストの多さだ。世界有数の“ドブレ・ピボーテ”がショートカウンターを受ける要因となってしまったのは、なぜだったのか?