“無敵艦隊”が散った要因は「プレースタイル」ではなく「選手選考」にあり スペインのパスサッカーは終わらない
1-5と屈辱的な大敗を喫したオランダ戦。敵将ファンハール監督はスペイン対策として「5-3-2」の布陣を選択。攻撃は前線のトライアングル――ロビン・ファン・ペルシ、アリエン・ロッベン、ウェズレイ・スナイデルに託し、7人でブロックを作ってスペインのパスワークを封じにかかった。スペインはボールを保持しながらも崩し切ることができず、次々にカウンターアタックを食らった。村松氏が指摘したのは「中盤でのボールの奪われ方のまずさ」だった。
「まさしく『カウンターアタックをしてください』と言わんばかりのタイミングや状況でボールを奪われることが多く、うまく攻守の切り替えが機能せず、オランダの作戦にハマってしまっていました。オランダのDFの人数は、数字の違いだけで特に意味はありません。それよりも重要なのはオランダがディフェンスラインを下げて、カウンターアタックを狙ってきた点です。『オランダといえば攻撃サッカー』とまで言われてきた歴史がありながら、ある意味プライドを捨てて戦い方をアレンジしてきまた。オランダの今大会に対する意気込みが試合結果に表れました」
あえてスペインにボールを持たせ、カウンターをねらってきたオランダに対し、「スペインはポゼッションサッカーがうまく機能しなかった際の“プランB”がなかった」(村松氏)。前回大会からの数少ない変化だったFWジエゴ・コスタはフィットせず。全く良いところを出せなかった。