香川と2列目トリオにあった“差”とは? 「ボリビア戦出場17人」を金田喜稔が5段階評価
宇佐美らしさを発揮できず 「どこか確信を持てていないように映った」
■乾 貴士(アラベス/→後半16分OUT)=★★★
乾自身にとっては歯がゆい試合だったに違いない。いつもどおり左サイドから中に切り込んでルックアップしても、香川や宇佐美らが相手の背後を突くような動きをほとんど見せず、思うようにクロスを供給できなかった。結局、乾にボールが入っても相手最終ラインの手前をボールが横切るだけで、相手の守備網を切り裂くような決定的なパスを供給できなかった。日本の攻撃に停滞感があったなか、周囲が動かなければ逆に自らがフリーランニングしたり、積極的にミドルシュートを放つなどしてリズムを生み出したかった。
■宇佐美貴史(デュッセルドルフ/→後半16分OUT)=★★★
右サイドで長いプレー時間をもらったが、決定的なシーンを作れなかった。森保監督は期待していると思うが、攻撃に変化をもたらす、迫力を生む宇佐美らしいプレーをピッチ上で出しきれていない。見ていてもどかしかったし、どこか確信を持てていないように映った。
■小林祐希(ヘーレンフェーン/→後半23分OUT)=★★★★
自らがポジションをどんどん変えながら積極的にパスを引き出し、散らすプレーができていた。ボランチとしてのボールへの関わり方が90分間できる選手。相手を動かしながらパスコースを作り、中盤にリズムを生むプレーはブレていなかったが、もう少しフィニッシュの局面に絡む場面があっても良かった。
■橋本拳人(FC東京)=★★★
ボリビアに攻め手があったわけではなく、この試合展開では目立つポジションとなり得なかった。A代表デビューとなったなかで悪くはないし、良さが目立ったわけでもない。チーム全体が前線で停滞するなかで、無理して攻撃参加するタイプの選手ではないが、もう少しミドルシュートの意識や、もう一歩前でボール奪取する動きを増やしたかった。
金田喜稔
かねだ・のぶとし/1958年生まれ、広島県出身。現役時代は天才ドリブラーとして知られ、中央大学在籍時の77年6月の韓国戦で日本代表にデビューし初ゴールも記録。「19歳119日」で決めたこのゴールは、今も国際Aマッチでの歴代最年少得点として破られていない。日産自動車(現・横浜FM)の黄金期を支え、91年に現役を引退。Jリーグ開幕以降は解説者として活躍。玄人好みの技術論に定評がある。