「世界中どこであろうとあり得ない」 元英代表FW、意識喪失選手のプレー続行に激怒
スイス代表DFシェアへの対応を巡る議論にシアラー氏が言及 「ばかげている」
ニューカッスルに所属するスイス代表DFファビアン・シェアは、現地時間23日に行われた欧州選手権(EURO)2020予選ジョージア戦の前半、相手選手との接触によりピッチ上で一時意識を失ったが、その後にプレーを再開してフル出場を果たした。これについて、元イングランド代表FWアラン・シアラー氏が怒りを露わにしている。英紙「ザ・サン」が報じた。
シェアは前半24分にジョージア代表DFジェマル・タビーゼと衝突。脳震とうの症状だと思われるが、ピッチ上で意識を失い、その様子にスタジアムも騒然となった。無事に意識は回復し、ピッチに戻ったシェアだが、試合後には「何も覚えていない」と振り返っている。その後、シェアは26日のデンマーク戦を前に代表から離脱することが発表された。
脳の負傷に関する活動を行う慈善組織「Headway」は公式サイトを通じ、「ファビアン・シェアの脳震とうについて調査を要求する」との声明を欧州サッカー連盟(UEFA)に向けて発表。同組織のチーフ・エグゼクティブを務めるピーター・マッケイブ氏は「非常に危険なだけでなく、職務怠慢だ」と述べ、シェアにプレーを続行させたスイス代表チームの判断を非難していた。
2017年に英公共放送「BBC」で、サッカーにおける頭の怪我と認知症の関わりについてのドキュメンタリー番組を撮影したシアラー氏も、今回のスイス代表の判断について、「ファビアン・シェアのプレー続行を許すだなんて、世界中どこであろうとあり得ない。ばかげている」と述べ、こう続けている。
「トップレベルの試合では、代表やクラブとは関わりのない独立したドクターが必要。彼らが映像を確認し、最終的な判断を下すべきだ。そのような独立したドクターがいれば、ノックアウトされた選手にプレーを続けさせるなど絶対にありえない」
また、シアラー氏は「なぜ、頭の怪我のような重大な場面でドクターは審判が許可を出すまで待つ必要があるんだ?」と続け、持論を展開。「もし、独立したドクターが試合を見ていたら、何が起きているのか分かるし、すぐさまピッチに駆けつけるべき」と意見を述べ。現在のドクター介入のシステムに対しても問題提起している。
(FOOTBALL ZONE編集部)