“最強の矛”にして“諸刃の剣”―― 中島翔哉の破壊力がはらむリスクと必要なキーパーツ

中島の懸念材料は…ボールを奪われた後のカウンター「入れ替わるシーンもあった」

 中島は勝利の立役者となり、「10番」を背負っても不思議はないほどの活躍だったのは間違いない。しかし、8年ぶりのA代表2キャップ目で右サイドバックとしてフル出場した熟練DF西大伍(ヴィッセル神戸)は、中島がいる陣容の課題についても分析している。

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「彼が入ることで弱くなる部分もある。そこは考えながら周りがやるべき。取られて入れ替わるシーンもあったので」

 後半に中島は出場以降、特に“2列目トリオ”が揃ってからはオープンな展開となるなか、ボリビアの攻撃は中島のサイドが多く、突進していってボールを奪われ、攻めに転じられるシーンもいくつかあった。中島は森保監督から「どんどん仕掛けてほしい」と言われて送り出されたことを明かしていたが、2列目トリオを投入した後の後半28分、攻撃が特徴のDF安西幸輝(鹿島アントラーズ)に代わり、対人守備やエアバトルを武器とするDF佐々木翔(サンフレッチェ広島)を中島の後ろに配置しているのもカウンターを食らった際のリスクを軽減する狙いがあっただろう。

 一方で、MF柴崎岳(ヘタフェ)はボリビア戦の前後半について、自身の見解を語っている。

「個人的には、前半の戦い方と後半のスピーディーなものと、なるべく使い分けて試合を進めたいと思っています。前半のようにあまりリスクをかけないボールの回し方だけではダメだし、後半は後半でボールの取られ方によっては危険なシーンを招くので、個人の判断とチームとしての成熟もあると思います」

 持ち味を生かすべく自由が与えられているなかでは、中島を“最強の矛”であり続けさせるか、“諸刃の剣”としてしまうかは周囲次第。読みや戦術眼に優れ、中島のカバーに回れる選手が重要なキーパーツになりそうだ。

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