落日の王国 清水初のJ2降格という悲劇を招いた歪んだチームマネジメント
15位新潟勝利でオリジナル10陥落決定
降格候補にも挙げられたシーズンはしかし、問題を抱えながらも10位でフィニッシュする。新任のアフシン・ゴトビ監督の下で、時に勝負に徹したサッカーを演じたチームは、大前元紀がエースに成長し、高原直泰(現SC相模原)、高木俊幸(現浦和レッズ)ら新加入選手も期待通りの活躍を見せて崩壊を免れた。
翌年も太田宏介(現FC東京)らが流出する一方、ルーキーの河井陽介や八反田康平、2種登録の石毛秀樹のブレイクもあってナビスコカップでは決勝に進出。「ヤング・エスパルス」の躍進は、見る者に期待を抱かせるものだった。
もっとも、この頃からチームは戦力的に歪な状況に陥っていた。ルーキーを中心に、新加入選手はテクニカルで小柄な選手が多く、特に毎年のようにサイドバックの人材が枯渇。中盤の選手をコンバートして凌ぐものの、根本的な解決には至らなかった。
また、11年開幕前の大量流出以降、主力の流出が止まらなかった。もちろん、その代わりとなる戦力は補強しても、あまりにも顔ぶれの変化が激しいなかでは一貫した強化など望むべくもない。