「奇跡でした」 元なでしこ宮間が女子W杯優勝を回顧「結末は誰も想像できなかった」
震災後の2011年大会で優勝 「前向きなメッセージを伝えようと結論を出した」
元なでしこジャパン(日本女子代表)主将のMF宮間あやがFIFA公式サイトのインタビューに応じ、2011年の女子ワールドカップ(W杯)の優勝を「奇跡でした」と振り返っている。
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なでしこジャパンは、11年3月の東日本大震災後の6月から7月にかけてドイツで開催された女子W杯で初優勝を果たした。宮間は中盤の攻撃的なポジションでチームを支え、開幕のニュージーランド戦では直接FKで決勝ゴール。PK戦の末に勝利した決勝のアメリカ戦では、90分間の中で同点に追いつくゴールを決めた。
宮間は、日本国内が大きな悲しみに包まれた震災からの臨戦過程を交え、8年前の大会をこう振り返っている。
「震災の後、チームメートとこの大会に参加するのが正しいことなのか話し合いました。最終的にはサッカーをすることで被災した方々に前向きなメッセージを伝えようと結論を出しました。決勝の時は、いつもと同じように勝利しなければいけないと思っていましたし、いつもどおりでした。チームメートと、とても多くの試合をプレーしてきましたから」
そう話した宮間は、優勝について「奇跡でした。あんな結末は誰も想像できなかったと思います」と語っている。
当時の大会では、日本のポゼッションサッカーは女子サッカー界のバルセロナとも称された。そのポゼッションスタイルの真相を、宮間はこのように明かしている。
「佐々木則夫監督の下で、ポゼッションの練習に時間を割いてきました。その哲学はボールを動かすだけではなく、勝利するためにボールをキープするということでした。私たちはほかのチームのように体が大きくないですが、これは新しいスタイルなのでほかのチームには理解されづらいのではないかと考えました」
当時のチームでは体格差も踏まえて、それでも勝利するための哲学としてポゼッションが導入されたのだという。その成果は、五輪と女子W杯が主要大会とされる女子サッカーの世界で、日本が初めて頂点に立ったことで示された。
あの優勝から8年が過ぎ、今年6月にフランスで女子W杯が開幕する。宮間は「W杯が簡単であることはあり得ない」と話したうえで、「彼女たちは大きな自信を持っているので、優勝するいいチャンスだと思います」と、なでしこジャパンの後輩たちにエールを送っていた。
(FOOTBALL ZONE編集部)