「死を目の前に見た」 リバプールDFファン・ダイクが振り返る“人生最大の戦い”
10年前の闘病体験を告白 「人生で初めてサッカーが何の意味もなさなくなった」
リバプールは今季、プレミアリーグ初優勝をかけて、昨季王者マンチェスター・シティとのタイトルレースを繰り広げている。しかし、オランダ代表DFフィルジル・ファン・ダイクは、自身にとっての人生最大の戦いは10年前の闘病体験だったと明かした。英紙「デイリー・ミラー」が報じている。
ファン・ダイクは2018年1月、DFとして史上最高額の7500万ポンド(約109億円)の移籍金でサウサンプトンからリバプールに加入。不動のレギュラーとして君臨し、今や世界最高のセンターバックの1人として数えられるほどに成長を遂げた。
リバプールは今季、プレミアリーグ初制覇に向けて順調に歩を進めてきた。最近は引き分けが増え、第29節エバートン戦のスコアレスドローでついにシティに勝ち点で上回られてしまったが、その後の2試合は連勝。現在、消化試合は1試合多いもののシティに勝ち点2差で首位に立っている。
初のリーグ制覇をかけて接戦を演じるチームで、ファン・ダイクもその主力の1人として戦っているが、自身の“人生最大の戦い”は過去の経験だという。
当時17歳だったファン・ダイクはフローニンゲンでの初シーズンを終える頃、練習中に腹痛を訴えた。チームのメディカルスタッフから診察を受けたが、本人は練習を切り上げるのを拒否。その後48時間で体の状態が悪化してきたにも関わらず、ファン・ダイクは病院に行くのも拒んだ。その後にチームメイトが車で送るという申し出を受け、医者へ。ところが、その医者からは体に異常はないと告げられ、痛み止めを処方されたのみだった。
しかし、その数時間後に事態は急変。息子の様子を見にアパートに訪れた母・ルビーさんはお腹を抱えて苦しんでいるファン・ダイクを発見し、すぐに救急車を呼んだ。虫垂破裂と診断されて緊急手術を受けたが、腹膜炎と尿毒症という合併症も引き起こして極めて危険な状態にあり、それから数日間をICU(集中治療室)で過ごした。
ルビーさんは当時、医者から息子の“並外れた体力”がなければ、この危機を乗り越えることはできなかったと告げられたという。ファン・ダイクは「死を目の前に見た。恐ろしい経験だった」と振り返り、こう語っている。
「私の人生で初めて、サッカーが何の意味もなさなくなった。まったく重要じゃなくなったんだ。生き続けようとすることだけがすべてだった。母も私も神に祈っていたが、正直に言うと、いくつかのシナリオを話し合ってもいた。一度、書類にサインしたことがあったが、それは遺書。もし病院で自分が死んだら、私のお金の一部が母にいくようにしたんだ。誰もこの問題について話したいと思っていなかったが、きちんとしておくことが必要だった。なぜなら、その時、病院で死ぬ可能性があったからね。ベッドで横になっていたのを覚えているよ。自分の目に映ったのは、体につながれたチューブとワイヤーだけだった。体が壊れていて、何もすることができなかった。最悪のことばかりが脳裏によぎった」
壮絶な闘病を乗り越えたファン・ダイク。その精神力と“並外れた体力”でリバプールを初優勝に導けるのだろうか。
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(FOOTBALL ZONE編集部)