森保監督の“日本代表アプローチ”を英記者が懸念 「タレントの無駄遣いと言われても…」

日本代表を率いる森保監督【写真:Noriko NAGANO】
日本代表を率いる森保監督【写真:Noriko NAGANO】

コロンビア戦で戻ってきた「情熱と躍動感」 しかしゴールを奪うことはできず

 日本代表は22日、日産スタジアムでコロンビア代表との国際親善試合を戦い、0-1で敗れた。前半を0-0で折り返すと、後半19分にFWラダメル・ファルカオ(モナコ)にPKを決められて失点。最後まで1点を返すことができず、敗戦となった。

 かつてアジアサッカー連盟の機関紙「フットボール・アジア」の編集長やPAスポーツ通信のアジア支局長を務め、ワールドカップ(W杯)を6大会連続で取材した英国人記者のマイケル・チャーチ氏は、コロンビア戦の日本のパフォーマンスについて「アジアカップで欠けていた情熱と躍動感があった」とする一方で、「決して平坦ではない道が待っている」と今後への懸念を明かした。

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 カルロス・ケイロス新監督とコロンビア代表チームは、日本代表に対して返すべき借りがあった。元イラン代表監督は1-0の勝利に満足して日産スタジアムを去ったことだろう。この試合は森保一監督に多くの答えを与えると同時に、同じくらいの問題も提起した。

 FWファルカオに与えたPKはやや厳しいものだったかもしれないが、コロンビアの選手たちは昨夏のロシアW杯で喫した敗戦のリベンジという意味合いも見出していることは間違いない。

 金曜日の敗戦は、ロシアW杯後から指揮を執っている森保監督にとって、ホームでは初めての敗戦となった。とはいえ、試合の入り方にはアジアカップで欠けていた情熱と躍動感があり、その点で指揮官は評価されるべきだ。

 中島翔哉(アル・ドゥハイル)の帰還は、UAEでのアジアカップは彼の不在がいかに大きかったかを我々に再認識させた。左サイドで彼の生み出す脅威は、他のアタッカーたちにとってもスペースとチャンスを与えていたからだ。

 中島が戻ってきたことにより、特に南野拓実(ザルツブルク)と堂安律(フローニンゲン)は前半を通して輝きを見せた。コロンビアの守備陣は日本のサイド攻撃に対して後手に回り、室屋成(FC東京)のオーバーラップも効果的だった

 また、日本は前線からの守備においても、デビュー戦となった鈴木武蔵(北海道コンサドーレ札幌)が信頼に足るパフォーマンスを見せ、南野が気の利いた守備を披露した。森保監督のチームはコロンビアの中盤に自由を与えず、敵陣深くでボールを奪うシーンも作っていた。

 しかし、こうしたポジティブな側面や意図をもってしても、GKカミロ・バルガス(デポルティーボ・カリ)の守るコロンビアのゴールを打ち破ることができなかったことも事実。試合を支配した前半45分間で、日本がアウェーチームのGKを脅かしたシーンは少なく、フラストレーションの溜まる展開だったことは確かだ。

 後半にコロンビアが圧力を強めてきたことで、フラストレーションは増幅する一方だった。日本は後退を余儀なくされ、ポゼッションも低下した。

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マイケル・チャーチ

アジアサッカーを幅広くカバーし、25年以上ジャーナリストとして活動する英国人ジャーナリスト。アジアサッカー連盟の機関紙「フットボール・アジア」の編集長やPAスポーツ通信のアジア支局長を務め、ワールドカップ6大会連続で取材。日本代表や日本サッカー界の動向も長年追っている。現在はコラムニストとしても執筆。

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