データが示す日本の悲しい現実 アジアでさえ優位性を失ったハリルJの真骨頂
ハリル監督が強調する「デュエル」と「インテンシティー」を独自解析
10月の中東遠征は、アジアにおける日本の正しい現在地を図る上でも重要な2試合となった。それぞれを掘り下げていくと、待っていたのは、アジアをけん引してきたはずの日本の悲しい現実だった――。
日本代表は、10月8日に行われたロシア・ワールドカップ(W杯)アジア2次予選のシリア戦で、MF本田圭佑(ACミラン)、岡崎慎司(レスター・シティ)、宇佐美貴史(ガンバ大阪)の得点によって3-0で快勝。グループリーグ首位に躍り出た。
シンガポール戦、カンボジア戦、アフガニスタン戦と試合を重ねるごとにパス数、クロス数やペナルティーエリア侵入回数等ゴールに近づくために必要なプレーのデータが減少したにもかかわらず、むしろ得点の匂いがするようになってきている。
アジア予選開始当初は引いて守る相手に対して我慢できずに、サイドから放り込むことが多かった。また、攻撃に手数と時間をかけた結果、ペナルティーエリア内で多くの相手ディフェンダーがいる中でパスを送り込まざるを得なかった。試合が進むごとに徐々にそうした問題の改善が進み、サイドに起点をつくって中央のスペースを空けるプレーや、相手を引き出しながら効果的にペナルティーエリアに侵入するプレーが増えてきた。結果、数は少ないが効果的なプレーが行われるようになったということだろう。