W杯コロンビア戦“金星”と日本人DFの“アシスト” ライバル国から見守った歴史的瞬間
実体験としてコロンビアの“汚さ”も伝える 試合当日は身の危険を感じて…
また山中は、コロンビアのピッチ上でのプレーの汚さも伝えていた。
「向こうの選手は球際でのプレーが激しい。ボールを奪いに来る時に、体を入れてユニフォームをつかむだけでなく、体の肉の皮までつかんで引っ張り、ひるんでいる隙にボールを奪おうとする。スパイクも平気で踏んでくるが、ただ踏むだけではなく、親指の爪を思いっきり踏んでくる。それで『痛っ』と言っている間にボールを奪う。僕は3回、親指の爪が剥がれました。こんなプレーをしていたら日本では非難されるけど、コロンビアではカードも出ないし、ファウルも取ってくれない」
コロンビアのW杯メンバー23人のうち、国内組は3人のみだったが、全員がコロンビアリーグ経験者だ。
試合は序盤にMFカルロス・サンチェスが退場し、数的優位に立ったこともあり、コロンビアはエネルギー消耗を防ぐため、ピッチ上で激しくボールを奪いに来る場面はそれほどなかったが、サンチェスの退場がなければ違った展開になっていた可能性もあった。
MF香川真司とFW大迫勇也のゴールで日本が2-1で勝利したコロンビア戦。山中は当日、日本代表のユニフォームを着てコロンビアのショッピングモールで行われていたパブリックビューイングの会場で試合を観戦していた。だが終盤、コロンビアの負けが濃厚になってくると会場の雰囲気も次第に険しくなり、身の危険を感じた山中は試合終了5分前にひっそりと会場を後にした。
そして、試合後には日本代表の分析担当者から「山中さんのお陰で勝つことができました。ありがとうございました」と、お礼のメッセージが届いたという。