南野拓実、ELで“あと一歩”の差を痛感も… 強豪相手に貫いた「ゴール前へ飛び込む動き」
ナポリに2戦合計3-4で敗れベスト16敗退
日本代表MF南野拓実が所属するザルツブルク(オーストリア)は、UEFAヨーロッパリーグ(EL)のベスト16でイタリアの強豪ナポリと対戦した。ホームでの第2戦こそ3-1で勝利したが、0-3で敗れた第1戦の結果をひっくり返すことはできずに、大会から姿を消すことになった。
この試合、2トップの一角としてスタメン出場を果たした南野は前半、なかなか良い形でボールをもらえずにいた。何度も裏のスペースに向かって動き出したり、相手の後ろのスペースに顔を出してパスを要求していたが、仲間の意図と噛み合わない。
「味方は(相手の)プレッシャーも受けていたし、前にいい形でボールが入っていないというのはあった。(僕としては)裏でも足もとでもどっちでも受けられる準備はしていた。ただチームとして裏にボールを出して、そこでしっかりボールを収められなくても、そこから前でプレスをかけていければというイメージは僕の中であったんですけど、前半はそういう場面は……」
試合後に前半の戦いぶりについて、そう振り返っていた南野の言葉どおり、ナポリの組織的な守備を前にザルツブルクは上手くボールを前に運べずに苦しんでいた。そして相手ボールになると積極的に前からプレスをかけて奪いに行くが、取り切れないシーンが続く。ナポリにパスの出口を上手く作られながら後ろでボールを回されたり、プレスをかけるザルツブルクの頭上を越えてFWアルカディウシュ・ミリクへパスを通され、素早くカウンターに持ち込まれたりしていた。
「僕らが押し込んでいる時に相手FWに(ボールを)収められ、カウンターとか自陣まで下がらざるをえない状況を作られてしまう、というところに国内リーグとの差を特に感じました。それをされると自陣に一度帰らないといけないし、自分たちのリズムをつかみ切らせてくれない」
そう相手の強さを分析していた南野だが、自分たちのプレーへの自信は揺らいでいなかったと話す。
「僕らがハーフタイムに話していたのは、確かにプレッシャーに行ってかわされたところとかあったんですけど、全部股下(を通されたり)とか、ちょっと足が滑ってとか、本当に少しだけだってみんな感じていた。だから振り切られる場面とかもあったけど、続けてやっていこうと。もう少し足が出れば取れるし、前半それでゴールを決めた場面があったから、なおさら僕らも前向きにやっていけるんじゃないかなという気持ちがあった」
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中野吉之伴
なかの・きちのすけ/1977年生まれ。ドイツ・フライブルク在住のサッカー育成指導者。グラスルーツの育成エキスパートになるべく渡独し、ドイツサッカー協会公認A級ライセンス(UEFA-Aレベル)所得。SCフライブルクU-15で研修を積み、地域に密着したドイツのさまざまなサッカークラブで20年以上の育成・指導者キャリアを持つ。育成・指導者関連の記事を多数執筆するほか、ブンデスリーガをはじめ周辺諸国への現地取材を精力的に行っている。著書『ドイツの子どもは審判なしでサッカーをする』(ナツメ社)、『世界王者ドイツ年代別トレーニングの教科書』(カンゼン)。