本田激白、ハリルJと日本サッカーの今を語る 「中長期の計画が求められている」

Jリーグと若手選手

 サッカー発展途上国といわれた日本は、欧州や南米の強豪国から選手や指導者を招き、さまざまなことを学んできた。22年前にはJリーグも発足し、急激に日本サッカー全体のレベルが上がり始めた。一方で、近年はその上昇の勢いは緩まっている。だが、本田はそれを自然なことだと捉える。そして、今まで日本が海外のサッカーを参考にしてきたように、日本が参考にされる対象になること。日本のようなサッカーをしようと思わせる存在になっていくために、長いスパンで考えていくべきだと言葉をつないだ。
 その考えは、選手個々のキャリアにも関わってくる。この日のイラン戦では、ボール際の争いでフィジカル面で押し込まれてしまう場面が多く目についた。本田自身は、若手への提言も織り交ぜながらこう語る。
「一番いいのは、こういう環境に自分自身で身を置くことで慣れていく。スタンダードに、選手それぞれの感覚になっていくのがいい。もっと若い選手は海外に出て行くべきだと。ただ、誤解してもらって困るのは、Jリーグが力をつけているし、Jリーグがさらに力をつけていかないといけない。若い選手とJリーグが力をつけることの両方が必要。柴崎が苦しんでいたと質問がありましたけど、岳には岳にしかない特徴がある。それをもっと出す形を、このレベルで慣れていかないといけない。別に岳がパワーをつける必要はない。例えば(アンドレス・)イニエスタは球際に強くない。ただ、そうならない強さがある。このプレッシャーをいなせる形を普段の公式戦から身につければいい」
 Jリーグのレベルアップの必要性を説きながらも、シビアな環境に若い選手が身を置くことの大切さをそう語った。名前が挙がった柴崎は、Jリーグの中で球際の弱い選手という印象はそれほどない。しかし、イラン戦では鹿島で見る柴崎の存在感は出せていなかった。それが、本田の言葉では「スタンダードになっていない」という表現につながるのだろう。

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