アジアの厳しさを知り尽くす長谷部 拙攻を繰り返したチームに苦言

敵地とはいえ、あまりに多かったパスミス

 1-1の引き分けに終わった13日の国際親善試合イラン戦。試合後の日本代表主将MF長谷部誠(フランクフルト)の口からは、明確にチームの課題が述べられた。

「試合を通してそうですけど、前半、特に自分たちのパスミスが多かった」

 8日のワールドカップ・アジア2次予選シリア戦に続き、低調な前半という課題が残った。日本の最初のシュートは、試合開始から27分もかかった。それも、35メートルほどはあろうかという距離から、長谷部が右足で狙ったもの。低い弾道でゴールの枠を捉えたところは流石だったが、そうそうゴールが決まる距離ではない。続く38分に放ったFW本田圭佑(ACミラン)のシュートも、右サイドの30メートルはあろうかという距離からのもの。結局、前半はペナルティーエリアの中からシュートを打つことができなかった。

 その要因が、長谷部が挙げたパスミスの多さだった。最終ラインからビルドアップをする際に、日本の吉田麻也(サウサンプトン)と森重真人(FC東京)のセンターバックコンビにボールを持たせるような守備を組んできたイランに対し、有効な打開策がなかった。カウンターでチャンスを作れそうな場面でも、前線へのパスが流れてしまい、自分たちで好機の芽を摘んでしまう。

 そのため、「パスミスが多いと、相手にボールを持たれる時間が長くなる。そうなると難しい」と、長谷部が厳しい表情で振り返ったような試合展開を招いてしまった。自ら試合のリズムを相手に譲り渡してしまうような、拙いゲーム運びだったことは否定できないだろう。

 

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