先発5人を変えて臨んだ10年ぶりのイラン戦 敵地で先制許すも武藤の一撃でドロー
前半は一進一退の攻防も、軽率なファウルから失点
13日、日本代表は敵地でイランとの国際親善試合を戦った。前半終了間際にPKからの流れで失点した日本だが、後半開始直後の3分にスタメン起用の武藤嘉紀(マインツ)の同点ゴールで追いついた。その後は互いにゴールを奪えず、FIFAランキングでアジアトップのイランと10年ぶりに対戦したアウェーゲームは1-1の引き分けに終わった。
バヒド・ハリルホジッチ監督は、8日に行われたワールドカップ・アジア2次予選のシリア戦から5人のメンバーを入れ替えた。最終ラインでは左サイドバックの米倉恒貴(G大阪)と、センターバックの森重真人(FC東京)。ボランチの一角に柴崎岳(鹿島)、左のアタッカーに宇佐美貴史(G大阪)、1トップに武藤嘉紀(マインツ)を起用した。
敵地アザディスタジアムの深い芝の影響もあってか、キックオフからビルドアップのテンポが上がらないハリルジャパン。イランに攻め込まれたところからのカウンターを狙う形が増え、前線にロングボールを送る場面が多くなった。しかし、単発の攻撃では決定機につなげることができずに進んでいく。一方、日本の最終ラインもイランに決定機は与えずにゲームを進め、一進一退の展開でゲームは進んだ。
日本は前線の選手たちの前方に浮き球を入れて走らせる攻撃を狙ったが、ボールが長すぎて流れてしまう場面が目立った。日本の最初のシュートは27分。ゴールから35メートルはあろうかという距離から長谷部誠(フランクフルト)が狙ったが、シュートはGKに難なく抑えられた。交互にある程度ボールを保持する時間を作る両チームだが、ゴール前のラスト30メートルあたりからは効果的に侵入することができず、ジリジリとした展開のまま時計の針が進んでいった。
前半35分にはイランに大きなチャンスが訪れた。右サイドからのクロスが日本のクリアによってファーサイドに流れたところに、後方からオーバーラップしたDFレザイアンがフリーで侵入。中央で返したボールはフリーのイランFWアズムンに通ったかに見えたが、シュートがヒットせずに難を逃れた。38分には、本田が強引に約30メートルのロングシュートを放ったが、クロスバーを越えた。結局、前半のハリルジャパンはペナルティーエリアの中に侵入してシュートを放つことはできなかった。
このまま0-0で前半を終えるかと思われたアディショナルタイムに落とし穴が待っていた。強引に日本のペナルティーエリア内に持ち込んだイランMFトラビを、DF吉田麻也(サウサンプトン)が倒してしまいPKが与えられた。ペナルティーエリア内でも左サイドのライン際であり、外を向いていた選手へのファウルだっただけに、痛恨の1プレーになった。イランのキッカーはFWデジャガ。右足でゴール左サイドを狙ったキックを読み切ったGK西川周作(浦和)が一度は弾き出したが、こぼれ球を再度デジャガに蹴り込まれて失点。日本は0-1で前半を折り返した。