日本代表復帰の香川真司をどう生かすか? 布陣別で見る森保ジャパンの「香川活用法」
ロシアW杯以来の代表復帰、南野と異なるトップ下でのプレースタイル
日本代表の森保一監督は22日のコロンビア戦(日産スタジアム)、26日のボリビア戦(ノエビアスタジアム神戸)に向けて23人の招集メンバーを発表した。アジアカップから13人が入れ替わり、4人が初選出。MF香川真司(ベジクタシュ)もロシア・ワールドカップ(W杯)以来の代表復帰を果たした。
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昨夏に森保監督が就任して以降、日本代表の2列目にはMF中島翔哉(アル・ドゥハイル)、MF南野拓実(ザルツブルク)、MF堂安律(フローニンゲン)の3人が台頭し、中島を怪我で欠いたアジアカップはW杯戦士のMF原口元気(ハノーファー)が主力として支えたが、基本的には彼らの推進力を生かした縦に速い攻撃がベースになっている。
もちろん、ボールを保持する時はあるが、チャンスの多くはシンプルに2列目の選手がボールを持ったところから生まれており、その多くを引き出していたのが1トップのFW大迫勇也(ブレーメン)だった。今回はその大迫も不在となっているが、香川が入ることにより新たなソリューション(解決策)が生まれる可能性は高い。
最もイメージしやすいのは4-2-3-1のトップ下に香川が入り、ボールの落ち着きどころ、スイッチの両面でキーマンになる形だ。このポジションを南野が担う場合は事実上の縦の2トップになり、流れの中では1トップと横並び気味になることもあれば、時に入れ替わることもある。
そうした状況から1タッチの早いつなぎと縦への仕掛け、飛び出しで違いを生み出すのが南野の良さだ。その一方で、そこでボールを落ち着かせる、リズムに変化を加える、アシストの一つ前のキーパスでチャンスメイクするといった仕事のエキスパートではない。
香川が入ることで、逆に1トップに南野を起用してラインの裏を狙う動きや、ワンツーで香川に飛び出させるといった大迫が入る場合とは異なる崩しの形を狙うことができる。初選出のFW鈴木武蔵(北海道コンサドーレ札幌)が1トップの場合も、サイズはあるものの大迫のように前線でタメを作るタイプではないので、香川のところでワンクッション入れてから鈴木が裏で受けてフィニッシュを狙うような形が多くなるだろう。
河治良幸
かわじ・よしゆき/東京都出身。「エル・ゴラッソ」創刊に携わり、日本代表を担当。著書は「サッカーの見方が180度変わる データ進化論」(ソル・メディア)など。NHK「ミラクルボディー」の「スペイン代表 世界最強の“天才脳”」を監修。タグマのウェブマガジン「サッカーの羅針盤」を運営。国内外で取材を続けながら、プレー分析を軸にサッカーの潮流を見守る。