元韓国代表のJリーガーFW、韓国での課税義務で裁判沙汰が判明 最高裁で「回避」決着
最終的に「重大な利害関係の中心地”を日本と判断」 これにより課税回避へ
ただ、これについて一審判決で「所得税は課さない」という判断が出た。具体的な内容はこうだ。
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「一審はチョ・ヨンチョル氏が両親の生計の責任を持たなければならないという主張は根拠が足りず、不動産取得も今後、韓国に戻るためのものであるから、韓国居住者と判断しなかった。2014年はチョ・ヨンチョル氏に請求された所得税を取り消した」
しかし、驚くことに二審判決は「所得税を課すべき」との判断だった。「二審では、チョ・ヨンチョル氏が韓国でアパートを自分の名義で持っていて、日本に住むアパートはクラブが提供したものと確認した。2016年に4階の一戸建て住宅を購入し、住宅賃貸業登録をした点も考慮された。これに伴い“恒久的住居地”を韓国とみなし、国税庁の所得税課税処分は正当だと判断した」という。
ただ、最終的な大法院(最高裁)の判断は、最初にも述べた通り「韓国での課税は回避」となった。
同紙は「チョ・ヨンチョル氏は2014年の韓国滞在日数が28日にしかならず、韓国代表として試合と練習に参加するためであった点が考慮された。また、韓国で社会活動をしていないこともあり、“重大な利害関係の中心地”を日本と判断した」と説明している。
日本と韓国を行き来することで、チョ・ヨンチョルは思わぬところから課税を言い渡されていたが、とりあえずはホッと胸をなでおろしているところだろう。何はともあれ、税金の二重払いになるのは避けられた。これからはJリーグでのプレーに一層集中できそうだ。
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(金 明昱 / Myung-wook Kim)
金 明昱
1977年生まれ。大阪府出身の在日コリアン3世。新聞社記者、編集プロダクションなどを経てフリーに。サッカー北朝鮮代表が2010年南アフリカW杯出場を決めた後、代表チームと関係者を日本のメディアとして初めて平壌で取材することに成功し『Number』に寄稿。2011年からは女子プロゴルフの取材も開始し、日韓の女子ゴルファーと親交を深める。現在はサッカー、ゴルフを中心に週刊誌、専門誌、スポーツ専門サイトなど多媒体に執筆中。近著に『イ・ボミ 愛される力~日本人にいちばん愛される女性ゴルファーの行動哲学(メソッド)~』(光文社)。