4戦連続完封宣言の”笑顔の守護神” 「代表正GK」完全定着へ、勝負の時
無失点に至上の喜びを感じる男
8日に行われたワールドカップ・アジア2次予選のシリア戦までの3試合で、日本代表は無失点を続けてきた。その試合で、いずれもゴールマウスに立っているのが、GK西川周作(浦和)だ。”無失点”という言葉に至上の喜びを感じる男は、その継続に大きな意欲を見せている。
「4連続完封を狙う意識があるかないかと言えば、ある」と語った西川。ここ3試合の対戦相手はFIFAランキングが3桁台と、日本から見て格下と呼ばれる対戦相手だった。ある意味、無失点はノルマだったとも言える。実際にJリーグでプレーしている選手のみで臨んだとはいえ、8月に行われた北朝鮮、韓国、中国との東アジアカップでは、ハリルジャパンは3試合すべてで失点した。現在のランキングが55位の日本だが、13日の国際親善試合で対戦するイランはアジア勢トップの39位。まして、アウェーゲームとなれば挑戦者としての立ち位置になる。
「常に無失点でやることを考えながらプレーしている。イランはいいチームだと監督からも聞いていますし、FIFAのランクでも日本より上なのでピンチはあると思う。しっかりと防ぐ準備をしていきたい」
正確なキック、特にライフルで狙ったかのような低い弾道で前線の選手にピタリと合わせるパントキックは、西川の大きな武器の一つだ。一方で、1対1の場面でのセービング力も素晴らしい。所属の浦和でも、決定的なピンチを西川が救ったことで勝ち点を得た試合が少なくない。それがファーストステージの無敗優勝や、現在の年間順位でトップに立つことにつながっている。西川加入前年の2013年にリーグ34試合で56失点だった浦和が、14年には32失点。攻撃の組み立てに関与することが目立つタイプだが、失点を防ぐ最後の砦としても結果を残している。