“城福サンフレッチェ”が挑む大改革 世代交代&戦術変更の同時着手に見据える“夜明け”

アジアカップでの活躍も記憶に新しい塩谷も広島から世界に旅立った(現在はアル・アインでプレー)【写真:Getty Images】
アジアカップでの活躍も記憶に新しい塩谷も広島から世界に旅立った(現在はアル・アインでプレー)【写真:Getty Images】

「フェアな競争」の中で東京五輪世代が多数ベンチ入りするなど世代交代が進む

 磐田も鹿島アントラーズも、かつてはヴェルディ川崎(現・東京ヴェルディ)も、栄華を誇ったチームはやがて、その栄華が華やかであるが故に、厳しさと向き合わねばならなくなる。黄金時代を彩った選手たちも、やがては新旧交代の荒波の中に巻き込まれるからだ。

 まして広島は人材供給クラブであり、人材の長期的な確保は財政面からも難しい。実際、FW佐藤寿人(現・ジェフユナイテッド千葉)に次ぐストライカーとして期待をかけたFW浅野拓磨(現ハノーファー)は、エースの座に王手をかけた状態で欧州に旅立った。2015年のチーム得点王・ドウグラスも中東に行き、現在は清水でプレー。翌年、リーグ得手王となったピーター・ウタカ(現ヴァンフォーレ甲府)も翌年には移籍し、水戸から獲得した塩谷司(現アル・アイン)も日本代表にまで育て上げた結果、中東への移籍となった。

 もちろん、欧州との交流が当たり前となった今、若い人材の流動性が避けられないのは鹿島のような「20冠」のチームですら同様であり、広島だけの問題ではない。しかし、黄金期を築いたが故に人材が高年齢化したまま固定し、若い世代の台頭を許容できなかったという問題を抱えた。それが「平均年齢30歳」という現実につながっていたのだ。

 城福監督は今季、一度も「世代交代」という言葉は使っていない。ただ、彼の言う「フェアな競争」のなかで選択した人材が、フレッシュであることは言うまでもない。もちろん、プレシーズンで明白な結果を出したMF柴﨑晃誠やFWドウグラス・ヴィエイラら30代の人材も重用はしているが、決して悪いとは言えないDF和田拓也やDF水本裕貴をベンチに下げ、GK林卓人の負傷中に抜擢したのは、実績のあるGK中林洋次ではなく大迫だった。途中出場のカードもルーキーのMF東俊希やMF松本大弥、荒木隼人や森島司といった10代から20代前半の選手たち。ちなみに第3節、東京五輪世代が18人中4人もベンチ入りを果たしているのは広島だけだ。

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