個の仕掛けとポジショニング 宇佐美が再確認したハリルジャパンで生き残る術

「連係で生かしてもらいながら、個で打開する」

 ワールドカップ・アジア2次予選の大一番だった8日のシリア戦で決めた日本代表での半年ぶりのゴールに、ハリルジャパンのエース候補も手ごたえを得たのは間違いない。2015年3月にバヒド・ハリルホジッチ体制が発足して以降、大きな期待を寄せられ、その全試合に出場しているFW宇佐美貴史は、シリア戦で自ら決めた3点目をこう振り返っている。
 「連係の中でゴール前に入っていくのはやりやすい。点を取れるポジショニングさえ繰り返しできれば、チャンスは巡ってくる」イラン上陸後、初めて行われた10日の練習後に振り返った。
 2-0で迎えたシリア戦の後半43分、左サイドのハーフウェーライン付近でボールを受けた清武弘嗣が、相手最終ラインの裏へ飛び出す本田圭佑(ACミラン)へスルーパス。この瞬間、清武の左斜め後方にいた宇佐美もタッチライン際を抜け出し、本田とクロスするようにフリーの状態でエリア内に入っていく。そして本田がヒールで落としたボールに素早く反応し、右足を振り抜いた。
 J1リーグでは今季、開幕からゴールを量産し、現在得点ランク2位の19得点。もっとも、夏場に入ってからはペースが落ち、国内組のエースとして活躍が期待された8月の東アジアカップでも無得点に終わった。その後、日本代表戦では3試合連続でスタメン落ちが続いている。「(先発で出たい気持ちは)僕に限らず全員ある。そこにこだわりながら、そこに向けてやっていきたい。そういうメンタルは全員が持つべきだと思う」この言葉には、現状に対する悔しさが滲む。

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