「縦オンリー」のハリル式に風穴を空けることができるか ポスト遠藤・柴崎に託される使命とは

速攻を意識するがあまりに性急な現在のハリル流

 3-0で快勝したシリア戦も含め、3試合連続でベンチから戦況を見つめている柴崎。ピッチに立った時に、どのようなプレーをすべきかというイメージをしっかりと頭の中に描けているようだ。中盤では香川真司(ドルトムント)、山口蛍(C大阪)、長谷部誠(フランクフルト)が重用されている。山口と長谷部はボール奪取能力に優れるが、パスの正確性やゲームメーク能力には物足りなさを残している。相手が攻勢に出た
シリア戦前半は前線に効果的なボールを配給することができなかった。
 パスセンスを武器とし、G大阪MF遠藤保仁の後継者と期待される柴崎は自らの特徴を存分に生かしてポジション争いに臨む覚悟だ。
 アジアでの戦いでは、今後も対戦相手が守備を堅めて試合に臨むことが予想される。W杯予選のシンガポール戦では0-0と得点を奪えなかった経緯がある。相手選手全員が自陣に引きような状況では、実力差があったとしても攻めあぐねることもある。
 柴崎は「2次予選とはいえ、相手は普通に考えれば実力差があるチームばかり。何が正しいかは言えないが、いつも前に行く必要はない」と冷静に試合運びを分析。相手を崩すために時に一度ペースを抑える。ゲームの流れにメリハリを付ける効果も口にしている。遠藤の担っていた部分を現在の中盤構成で期待されるのは、清武弘嗣(ハノーバー)、柴崎、そして、浦和MF柏木陽介の役割だろうか。

 

【了】

サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

 

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