あるデータが導く真実 ハリルJが世界を驚かしたラグビー日本代表から学ぶべきこと
ラグビー日本代表から学ぶべきこと
さて、サッカーに話を戻すと、サッカーのアジアにおける戦いにおいて、アクチュアルタイムと呼ばれる実プレー時間は約50分だ。残りの40分はファウルをきっかけにプレーが一時中断した時間の集積だ。弱者の戦略として強者の実プレー時間を減らすのは当然のことだ。一方、強者にとって明らかに力が劣る相手であっても、リスタート時のキッカーにはプレッシャーをかけることはできない。つまり、その瞬間だけ力の差は、キッカーの質と、それを受ける選手の高さと強さによって縮まってしまうことを示す。
そう考えた場合、シンガポール戦やカンボジア戦において彼ら以上にファウルを犯す必要があったのだろうか? また、アジアでの試合における判定には散々泣かされてきた苦い過去もある。そこから学び、経験として生かすためにラグビー日本代表が寸分の水も漏らさないような緻密さで行うような分析を行っているのだろうか――。
昨年終わったばかりのブラジル大会から1年以上が経過した。ラグビー日本代表の今の姿はエディー・ジョーンズ監督が2012年に就任した時からこつこつと積み上げてきたものだ。2018年のロシア大会まで同じ期間を任されたハリル監督。山積する課題を考えれば、残された時間は、それほど多くはない。さらなる成長を遂げるためのヒントは、イングランドで激闘を続けるチェリーブロッサムズがハリルジャパンに示してくれている。
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サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web