高校サッカー強豪校が立ったもう一つの檜舞台 “フットサル版天皇杯”に21年ぶり出場

試合当日、ゴール裏をサッカー部の1年生、2年生が埋めた【写真:河合拓/Futsal X】
試合当日、ゴール裏をサッカー部の1年生、2年生が埋めた【写真:河合拓/Futsal X】

浦安との大一番で作陽高に生じた誤算 「混乱して蹴ってしまっていた」

 作陽高が1回戦で対戦したのは、フットサルの全国リーグ「Fリーグ」のディビジョン1を戦うバルドラール浦安だった。今季はFリーグで10位となったが、リーグ創設当時はフットサル日本代表選手を数多く揃え、優勝を争っていた名門である。

 試合当日、アリーナのゴール裏を作陽高サッカー部の1年生、2年生が埋めた。「日本トップレベルのフットサルを見てもらい、フットサルに興味を持ってくれる子を増やしたかった」と、三好監督は生徒たちを動員した理由を説明する。サッカー部の1、2年生たちは、普段のサッカーの試合と同じようにメガホンを持ち、声援を送った。密閉されたアリーナに、この声が響き渡り、場内は作陽のホームゲームのようになった。

 しかし、試合が始まると、力の差は歴然としていた。浦安はキャプテンである日本代表FP加藤竜馬を温存しながらも、次々とゴールを重ねていった。作陽高は思うように攻撃を組み立てることができずに、自陣からロングボールを送っては、相手に回収される展開が続いた。三好監督は「声が全然通らなかった。攻撃のオープニングができなくて、混乱して蹴ってしまっていましたね。普段の練習では、あの声援のなかでやることは想定していませんでした」と、誤算を口にした。

 作陽高は、前線にピヴォ(サッカーのFWにあたる)を1枚置く3-1の布陣で戦ったが、大声援のなかでの試合で、後方の選手からピヴォの選手に指示の声が届かなかった。浦安の選手たちは、そのなかでも組織的なプレーができたのに対し、作陽高は上手く連係が取れずにボールを収めることができなかったのだ。

 結局、前半で6点ビハインドとなった作陽高は、1点も取れないまま試合を終えた。最終スコアは0-8となり、日本トップレベルの競技力を持つクラブとの力の差を痛感させられる結果になった。

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