W杯南米予選が波乱の幕開け ブラジル、アルゼンチンがまさかの黒星発進
不振の王国と大エースを欠くアルゼンチン
ブラジルとアルゼンチンが2強と目されるロシア・ワールドカップ(W杯)南米予選は、波乱の幕開けとなった。ブラジルがチリに、アルゼンチンがエクアドルに揃って0-2で敗戦。よもやの黒星スタートを喫した。
これが南米の層の厚さと、W杯予選の厳しさなのだろうか。今夏の南米選手権で初優勝を飾ったチリのホームに乗り込んだブラジルだったが、その勢いに飲み込まれてしまった。後半27分にチリ代表FWエドゥアルド・バルガスに先制ゴールを許すと、同43分には所属のアーセナルでも好調のFWアレクシス・サンチェスに追加点を奪われて0-2で敗れた。ドゥンガ監督が率いるブラジルは、チェルシー所属のMFオスカルを中心とした攻撃陣が沈黙。無得点に終わった。ブラジルが南米予選の初戦で敗れるのは史上初のこと。前代未聞の失態となってしまった。
一方、大黒柱のFWリオネル・メッシ(バルセロナ)を欠くアルゼンチンも、厳しいスタートになった。こちらはホームにエクアドルを迎えた初戦だったが、エースとして期待され10番を背負ったFWセルヒオ・アグエロが前半24分に負傷で交代。ボカ・ジュニアーズでの給与未払い問題に揺れるFWカルロス・テベスを投入したが、こちらも不発に終わった。初代表のFWパウロ・ディバラ(ユベントス)もピッチに送り込んで得点を狙ったアルゼンチンだったが、逆に後半36分と同37分に立て続けの2失点。こちらも0-2で敗れている。
10ヵ国がホーム&アウェーの総当たりによる全18節で争われる予選はまだまだ長い道のりだが、本大会でも優勝争いの本命に挙げられる2大国が揃って黒星スタート。広大な南米大陸を舞台とする戦いは、混迷を極めることになりそうだ。
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サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images