ミラン指揮官、クラブや監督批判の本田を事情聴取へ 「代表から戻ったら話し合う」
「選手に責任があると語っているという時点でナンセンス」
本田はクラブやイタリアメディア、サポーターを批判すると同時に、指揮官に対する批判も日本語で口にしている。「選手に責任があると語っているという時点でナンセンス」と語っていた。だが、ミハイロビッチ監督は本田と直接会談を持つことに決めた。
プレッシャーのない部分でボールロストをするなど精彩を欠いた背番号「10」は発熱という不運も重なり、2試合連続で出番なしに終わったが、指揮官は守備面の黒子役と泥仕事に一定の評価を与えていた。1年間ゴールから遠ざかっている本田を今季5試合で起用しているにも関わらず、「ナンセンス」とぶった切られた鬼軍曹だが、会見では懐の広さを見せた。
日本代表からチームに再合流後、面談を持つ方針を示した。「プロフェッショナルで真摯」と練習態度を評価していた。現役時代にレッドスター・ベオグラードの一員として1991年にトヨタカップで来日した経験のあるミハイロビッチ監督にとっては、自身の知る日本人像と本田は異なっていたようだ。クラブ批判を連発した本田への驚きも口にした。かつて「東京のスタジアムに響いたチアホーン(小型のラッパ)の音を今でも覚えている」と語った指揮官にとって、25年の歳月は思いのほか長かったのだろうか。
すでにクラブは本田に対し罰金などの制裁を課すと地元メディアに報じられている。自身の行為を「正義」と説明し、一歩も引かない構えを見せた本田は13日の国際親善試合イラン戦後にミラノに戻る。指揮官との事情聴取次第では、更なるペナルティの可能性もある。兄貴肌の指揮官が更なる懐の広さを示す可能性もある。 来年1月にミランから移籍するという地元報道も出ている。結果を出せず、セリエAで苦しむ本田にどのような未来が待っているのだろうか。
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サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images