輝きを放った”渦中の男”本田 「良い意味で裏切るようなサッカーを見せたい」
自らの存在価値を証明した1得点1アシスト
改めて、日本代表における存在感の高さを示したゲームだった。8日に行われたワールドカップ・アジア2次予選のシリア戦で、FW本田圭佑(ACミラン)は1ゴール1アシストで3-0の勝利の立役者に。日本代表での連続試合ゴール数を3に伸ばした。
所属のミランではここ2試合、出場機会に恵まれなかった本田だが、青いユニフォームを身にまとって躍動した。右サイドに張った前半こそボール際で激しく当たってくるシリアの厳しいディフェンスに対してチーム全体が苦しんだが、後半に入って中央に進出するプレーを増やすと、相手にとって危険なエリアでボールを受ける回数が増えた。
そうした中で迎えた後半10分、FW岡崎慎司(レスター)がPKを獲得すると、ボールを手に持ちスポットへ。助走の段階で早く動き出した相手GKに惑わされることなく、冷静にゴール左に決めた。数々の大舞台を戦ってきた経験と精神力が健在であることを示した。
その後は、日本が試合の主導権を握る中で、前線に連動性が生まれ始めた。そして、2-0で迎えた後半43分、途中出場の清武弘嗣(ハノーバー)のスルーパスに抜け出すと、相手DFを引きつけたところで、後方から走り込んできた宇佐美貴史(G大阪)にヒールパス。宇佐美が「(本田)圭佑くんが良いボールを落としてくれた」と感謝の言葉を残した絶妙なアシストで、ダメ押しの3点目を演出した。
しかし、本田は試合後に満足感を口にすることはなかった。
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