ハリルJ、シリア撃破で3連勝首位浮上 イライラ募る前半と溜飲下げる後半

4戦連続完封

 前半からいら立つようなしぐさを見せていたハリル監督だが、ハーフタイムでの交代はなく同じメンバーで後半をスタートした。その中で、日本は一本のロングボールで戦況を打開する。自陣でプレッシャーを受けたところから長谷部が供給したロングフィードが岡崎に通り、突破に掛かったところで倒されてPKの判定。これを本田が冷静にゴール左に決め、後半10分 に日本が先制した。本田は、先月のカンボジア戦、アフガニスタン戦に続き今予選の3試合連続ゴールになった。
 先に失点したシリアは、同点を狙って攻撃的な姿勢を強く打ち出し始めた。シンプルに前線へロングボールを入れた後、人数を掛けてセカンドボールを奪いにいく攻撃へと切り替える。日本の最終ラインが耐えてはね返しつつ、カウンターを狙う試合展開となっていった。
 ハリル監督が動いたのは同21分。原口に代えて宇佐美を投入。すると、日本が追加点を挙げる。同25分、左サイドを香川が切り崩して右足で相手の足の間を通すグラウンダーのクロスを入れると、ニアサイドに走り込んだ岡崎が相手DFの前で右足を出して蹴り込んだ。この効果的な追加点で、日本はリードを広げた。
< br> 2点リードの日本は試合のペースをつかみ、前線で連動性のある攻撃も増やしていく。交代出場の宇佐美も左サイドでボールを引き出しながら本田や香川と細かいパス交換でゴール前に入り込む。ハリル監督は同34分に香川に代えて清武弘嗣(ハノーバー)を投入。前線のフレッシュさを保つ采配を見せた。
 一方で、ヒヤッとする場面もあった。同36分にゴール前でエアポケットのようになった一瞬が生まれ、最後はシリアのシュートを許したが枠を外れた。同38分には、ゴールから約30メートルの距離から直接狙った強烈なフリーキックが日本ゴールを襲ったが、GK西川周作が弾いたボールはゴールポストに当たり、枠外に飛んだ。日本は、無失点を維持して試合終盤を迎えた。
 同39分、ハリル監督 は最後の交代カードとして岡崎に代えてFW武藤嘉紀(マインツ)を投入。すると43分、清武のスルーパスに抜け出した本田が相手を引きつけてゴール前にボールを残すと、後ろから走り込んだ宇佐美が相手GKとの1対1で冷静にシュートを決めてダメ押しとなった。
 残り時間も日本が主導権を握ったままゲームをコントロール。そのまま3-0で勝利し、4戦連続完封となった。勝ち点を10に伸ばし、グループ首位の座をシリアから奪い取った。

【了】
サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

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