「もっといける」 35歳MF長谷部、リベロ&ボランチの併用に適応する“アジャスト力”

「中盤で4、5カ月やっていなかったので、感覚のズレはある」

「自分の中でここはもっといけるなっていうところでまだいけていなかったり、そういう感覚のズレはある。中盤で4、5カ月やっていなかったので。そこはこの2試合で少しずつ取り戻してきているところではありますけど、まだまだ、良い時の状態ではないという感じはあります」

 確かに良い時の状態と比べると上手くいかなかった試合だったかもしれない。ただ、そのなかでもしっかりと水準以上のプレーができるのはやはり素晴らしいことだろう。チーム事情でポジションが変わっても、求められる役割を果たしてみせる。だからこそ欠かせない存在として確かな評価をされているのだ。そして、そうした立ち位置に甘えたりしない。

「チーム全体の力としてはかなり上がってきてるかなというのはあるので、もちろんその中で自分も競争に勝ってかなきゃいけない。1試合1試合が勝負かなと思います」

 常に謙虚に、そして現状に甘んじることなく取り組んでいく。フランクフルトがここからさらに順位を上げていくために、そしてELでさらに勝ち進んでいくために、いまだ成長過程の長谷部がチームを導いていく。

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(中野吉之伴 / Kichinosuke Nakano)



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中野吉之伴

なかの・きちのすけ/1977年生まれ。ドイツ・フライブルク在住のサッカー育成指導者。グラスルーツの育成エキスパートになるべく渡独し、ドイツサッカー協会公認A級ライセンス(UEFA-Aレベル)所得。SCフライブルクU-15で研修を積み、地域に密着したドイツのさまざまなサッカークラブで20年以上の育成・指導者キャリアを持つ。育成・指導者関連の記事を多数執筆するほか、ブンデスリーガをはじめ周辺諸国への現地取材を精力的に行っている。著書『ドイツの子どもは審判なしでサッカーをする』(ナツメ社)、『世界王者ドイツ年代別トレーニングの教科書』(カンゼン)。

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