「もっといける」 35歳MF長谷部、リベロ&ボランチの併用に適応する“アジャスト力”
ハノーファー戦で約1カ月半ぶりのリーグ戦勝利 前半は「今季1番、2番に悪かった」
フランクフルトは現地時間24日のブンデスリーガ第23節でハノーファーに3-0で快勝し、リーグ戦では約1カ月半ぶりとなる勝ち点3を獲得。6位に順位を上げたなか、元日本代表MF長谷部誠は「チーム全体の力としてはかなり上がってきてる」と今後に向けて手ごたえを語った。
簡単な試合ではなかった。21日にはUEFAヨーロッパリーグ(EL)ラウンド32でシャフタール・ドネツクとの第2戦(4-1/2戦合計6-3でベスト16進出)を戦っており、連戦の影響でハノーファー戦の前半は特にイージーミスが多かったと、ボランチでフル出場した長谷部は証言する。
「今シーズン1番、2番に悪いゲームをしたんじゃないのかなって感覚はあった。連戦の影響で、チームとしても個人としても、体も頭もちょっと重いなって感覚はやっていてもあった」
フランクフルトは相手のプレスに苦しみ、セカンドボールを拾われてしまう。2度、3度は前がかりになる相手の裏を突いてビックチャンスを作り出したが、ゴールに結びつけられない。前半4分には相手のミスもあり完全にフリーでGKとセルビア代表FWルカ・ヨビッチが1対1になったが、頭上を越そうと狙ったループシュートは高さが足らずに難なくキャッチされた。
後半しっかりとゴールを重ねて勝利し、地力の差を感じさせたとはいえ、ハーフタイムにはアディ・ヒュッター監督に相当“喝”を入れられたという。「監督はもちろん(喝)入れる時は言いますし、本当に今日は最悪の試合をしてるというふうなことはハーフタイムに言ってたので。それは自分たちも感じてた」と長谷部は指揮官の声を受け止めていた。では、具体的にどのような点で変化が生まれたのだろうか。
中野吉之伴
なかの・きちのすけ/1977年生まれ。ドイツ・フライブルク在住のサッカー育成指導者。グラスルーツの育成エキスパートになるべく渡独し、ドイツサッカー協会公認A級ライセンス(UEFA-Aレベル)所得。SCフライブルクU-15で研修を積み、地域に密着したドイツのさまざまなサッカークラブで20年以上の育成・指導者キャリアを持つ。育成・指導者関連の記事を多数執筆するほか、ブンデスリーガをはじめ周辺諸国への現地取材を精力的に行っている。著書『ドイツの子どもは審判なしでサッカーをする』(ナツメ社)、『世界王者ドイツ年代別トレーニングの教科書』(カンゼン)。