J1全18クラブ戦力分析「DF」編 3クラブが最高評価タイ、台頭が期待される若手は?

鹿島は昌子の抜けた穴を誰が埋めるだろうか【写真:Getty Images】
鹿島は昌子の抜けた穴を誰が埋めるだろうか【写真:Getty Images】

鹿島は限りなく評価「8点」に近いが、昌子の抜けた穴を誰が埋めるか不透明

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 鹿島アントラーズ(7点)は、限りなく8点に近いがCB昌子源の抜けた穴を誰が埋めるか不透明で、チョン・スンヒョンを軸に、町田浩樹、犬飼智也、ブエノなどがしのぎを削る。そこに新卒の関川郁万あたりも加わると面白いが、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)プレーオフでも存在感を示した町田が有力候補か。西大伍が抜けたサイドは安西幸輝の成長が目立つが、シーズンを考えれば新キャプテンの内田篤人がどこまで良いコンディションを維持して要所を締められるかもカギになる。

 サンフレッチェ広島、セレッソ大阪、清水エスパルス、ヴィッセル神戸、ベガルタ仙台、横浜F・マリノス、湘南ベルマーレ、名古屋グランパス、ジュビロ磐田、松本山雅FCの10チームは、いずれも評価「7点」とした。どこもアキレス腱を抱えているが、見方を変えると、そこを上手く強固できれば評価も上方修正できるチームばかりだ。

 千葉和彦が移籍した広島は井林章を獲得し、右サイドにスウェーデン代表エミル・サロモンソンが加わった。3バック採用時は、ウイングバックとストッパーもこなせるハイスケールなDFであり、ブレイクの予感も漂う。一方、C大阪はロティーナ監督の戦術に誰がどうフィットするかがカギ。清水は4バックの戦いが安定しているが、3バックにもトライするなかでどんな反応が起きるか注目される。

 神戸は攻撃のタレントが多く、良くも悪くも前がかりだったところに、強靭なダンクラーの獲得が合意に至ったと報じられた。大崎玲央や生え抜きの小林友希にも期待したいが、ポルトガルで実績のあるDFが加われば大きい。仙台は渡邉晋監督の組織的なスタイルが浸透しているなかに、新外国人のシマオ・マテなどがいかに順応できるか。横浜FMは“攻撃のクオリティアップ=守備の安定”につながるところも大きい。右サイドの松原健と廣瀬陸斗、左のティーラトンと高野遼がハイレベルな競争を繰り広げればシーズンを戦い抜く層も厚くなる。

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河治良幸

かわじ・よしゆき/東京都出身。「エル・ゴラッソ」創刊に携わり、日本代表を担当。著書は「サッカーの見方が180度変わる データ進化論」(ソル・メディア)など。NHK「ミラクルボディー」の「スペイン代表 世界最強の“天才脳”」を監修。タグマのウェブマガジン「サッカーの羅針盤」を運営。国内外で取材を続けながら、プレー分析を軸にサッカーの潮流を見守る。

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