J1全18クラブ戦力分析「MF」編 川崎が文句なしの満点、最下位タイの3クラブは?
FC東京は久保ら若手の成長にも期待 広島と磐田も下からの突き上げに注目
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FC東京(7点)は、韓国代表の高速アタッカーであるナ・サンホの加入が大きい。ただ、全体的に機能度を高めないと、パフォーマンスの波が激しい傾向からの改善は見込めない。レンタルバックの久保建英をはじめ若い選手が多く、シーズン中にも成長は見込める。中央が本職の長身MFアルトゥール・シルバはサイドでの起用も有効なオプションで、攻撃的MFのイメージが強い10番の東慶悟もボランチにトライするなど、長谷川健太監督はチームの引き出しを増やそうと余念がない。
サンフレッチェ広島(7点)も若手の成長が大きなカギを握り、それ次第で成績も変動しそうだ。主力に怪我人もいるなかで、城福浩監督はACLプレーオフでは新卒選手を複数起用。PK戦までもつれ込む展開となったが、ボランチで主力定着も期待される東京五輪世代の松本泰志などが経験を積み、戦力として計算できそうだ。
同じく評価「7」のジュビロ磐田は、長期離脱のムサエフ復帰が大きい。また川崎から森谷賢太郎を獲得して戦力の底上げに成功したが、やや主力の平均年齢が高めな点は不安材料。大ベテランの中村俊輔をはじめ、田口泰士や山田大記には残留プレーオフを経験した昨年以上の活躍が期待される一方で、若手の突き上げが中長期の課題になる。
ベガルタ仙台(7点)は、横浜FMからレンタルで加入した20歳の吉尾海夏と松本山雅から移籍してきた左サイドのスペシャリストである石原崇兆がカギを握りそうな気配で、欧州テイストの強い渡邉晋監督のスタイルにもフィットしそうだ。怪我の不安があったU-22代表の椎橋慧也も問題はないと見られ、チームの戦術を組織的に機能させるうえでは強豪チームとも十分に渡り合える布陣だ。
湘南ベルマーレ(7点)は、曹貴裁監督のハードワークをベースにしたスタイルが浸透しているなかで、個々がどれだけストロングポイントの水準を高められるかに懸かっている。その意味で、主軸としての働きが期待される松田天馬はもちろん、U-20代表の齊藤未月や高卒ルーキーの鈴木冬一にも期待したいところだ。
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河治良幸
かわじ・よしゆき/東京都出身。「エル・ゴラッソ」創刊に携わり、日本代表を担当。著書は「サッカーの見方が180度変わる データ進化論」(ソル・メディア)など。NHK「ミラクルボディー」の「スペイン代表 世界最強の“天才脳”」を監修。タグマのウェブマガジン「サッカーの羅針盤」を運営。国内外で取材を続けながら、プレー分析を軸にサッカーの潮流を見守る。