長谷部がブラジルW杯1次リーグで惨敗も“ザック流サッカー”の継続を主張 「個人的には間違っていないと思う」
これまでの先発メンバーから主力8人を温存してきたコロンビアに対して、そのカウンターの餌食となり、大量の4失点。世界最高の舞台で戦った3試合では4年間の鍛錬の成果を見せられず、C組最下位に終わった。しかし、キャプテンは目を涙で濡らしながらも、自分たちのサッカーを肯定した。
「僕の個人的な意見で言わせてもらえれば、間違っていないと思いますし、継続していくべきだと思う。ただ、結果が出てないわけですから、そこの説得力の部分では……。そこは専門家の皆さんに評価してもらって、これからの日本サッカーにつなげていくべきだと思う。結果が出れば、続けていくという形になるけど、結果が出なかったんで、考えていくことは僕ら自身にも大事なことだと思う」
DFラインを高く保ち、ポゼッション率を高めて、サイドで数的有利を作るザッケローニ監督のサッカーは世界最高峰の舞台で機能しなかった。対戦相手に研究された挙げ句、選手のコンディションも悪く、主導権を握れなかった。2試合目のギリシャ戦は数的不利で終盤足の止まった相手を攻略できずにスコアレスドロー。これまで日本の武器としてきた攻撃面での甘さが目立った。
日本サッカーを成熟させるためには周囲からの厳しい意見も必要
その試合でからくも1次リーグ突破の可能性を残したギリシャは最終戦でコートジボワール相手に劇的な勝利を挙げて、決勝トーナメント進出を決めた。一方の日本はコロンビアが“2軍”メンバーで臨んだ前半こそ1-1で折り返したものの、攻撃の中心選手であるハメス・ロドリゲスが投入された後半は一挙3失点。4年間で最も低調なパフォーマンスを露呈する散々な結末となった。それでも、長谷部はこれまでのサッカーの継続を主張した。
「あとは、今大会を通じて思ったことは、サッカーは世界の文化であって、その中で特に強豪国と言われる国はサッカーが文化として根付いている。選手が成長するのが大前提ですけど、やはり、日頃からW杯の一時だけじゃなくて、日本のサッカー全体を日本の人たちに厳しい目で見てもらって、そういうものが文化として作り上げられていくと思う」
昨年のコンフェデレーションズ杯の不振で世界との差は明確となったはずだが、ザッケローニ監督は特段プレッシャーを感じることもなく留任。この日の結末を招いた。ワールドカップ開幕直前にMF本田圭佑はメディアに対し、大会期間中は批判よりも応援することを求めたが、惨敗してようやくチームの主将はメディア、サポーターからの批評を要求した。
3試合通じて長谷部自身も不用意なパスミスやトラップミスが目立つなど、そこまで高いクオリティを示せたわけではなかったが、常日頃からの厳しい意見が日本のサッカー文化の成熟に役立つと考えているようだ。
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サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
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