「サッリにプランBはない」 伊識者は解任騒動の渦中にいる指揮官を擁護「時間が必要」
イタリア人ジャーナリストが解説、ナポリ就任直後と同じ現象がチェルシーで起きていると主張
チェルシーのマウリツィオ・サッリ監督は、このところの成績不振から去就問題が浮上している。英衛星放送「スカイ・スポーツ」はイングランド挑戦1年目で苦戦している現状について、イタリア人識者が分析を行っている。
サッリ監督の下で開幕から12試合無敗と順調な船出を切った今季のチェルシーだが、相手に研究された中盤戦以降は不安定な戦いぶりが顕著となっている。
特にプレミアリーグ直近の4試合は1勝3敗と大きく足踏みし、さらに現地時間18日に行われたFAカップ5回戦ではマンチェスター・ユナイテッドに0-2で敗れた。指揮官の解任説が過熱するなか、ジネディーヌ・ジダン氏やフランク・ランパード監督の招聘が検討され始めているとも伝えられている。
「スカイ・スポーツ」では、イタリア人ジャーナリストのアダム・ディグビー氏が、チェルシーでのサッリ監督の仕事ぶりについて解説している。ここまでイングランドで苦戦していることについては「まだ(就任から)6カ月しか経っていない」と前置きしたうえで「ナポリ時代の1年目を踏襲している」と指摘している。
サッリ監督は2015年にナポリの監督に就任。この時も開幕ダッシュを決めた後に失速していた。後にサッリ監督率いるナポリは、セリエAで優勝争いに加わるほどのチームにまで完成度を高めているが、そこまでには18カ月かかったという。本領発揮に至るためには、チェルシーも長い目で見る必要があるとの見解を示した。
“サッリボール”とも呼ばれるポゼッション志向のスタイルにこだわりを見せるサッリ監督。チームが不振の中でも一貫した戦い方を続けるが、「サッリにプランBはないのか?」という疑問が投げかけられた。その質問に対して、ディグビー氏は「彼には(プランBは)ない。グアルディオラやユルゲン・クロップ、アリーゴ・サッキと同様で、彼らには己の哲学、アプローチがあり、そこに妥協はしないんだ」と語った。
また、サッリ監督の愛弟子としてナポリから引き抜かれたイタリア代表MFジョルジーニョは、いきなりレギュラーポジションを確保して注目を集めた選手だが、今では相手の徹底マークに苦しみ、批判の対象にもなっている。ディグビー氏は同選手を「サッリ・システムにおけるパスの中核」と表現し、「彼が苦しんでいるのは周りが彼の動きに慣れている段階だから」だとしている。
「チームが彼に適応できない限り、彼(ジョルジーニョ)は苦しむことになる。システム全体が失敗に終われば、彼はスケープゴートにされるだろう」
ジョルジーニョこそ、サッリ監督率いるチームの浮沈のカギを握る存在だとされている。
チェルシーは現地時間24日に、リーグカップ決勝でマンチェスター・シティと対戦する。プレミアリーグでは0-6と大敗を喫した相手とのリベンジマッチ。サッリ監督の去就問題にも大きな影響を及ぼしそうな一戦だけに、試合の行方に注目だ。
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(FOOTBALL ZONE編集部)