久保裕也がニュルンベルクでもがく日々 ブンデス“最下位転落”で忍び寄る降格の影
ハノーファーとの“残留争い直接対決”に敗戦 監督と強化責任者を更迭
9日のブンデスリーガ第21節でハノーファーとの“残留争い直接対決”に0-2で敗れたニュルンベルクは、11日にスポーツディレクターのアンドレアス・ボルネマン、そしてその翌日には監督のミヒャエル・ケルナーをそれぞれ解任した。ブンデスリーガで15試合連続未勝利(4分11敗)に加え、DFBポカール3回戦では2部のハンブルガーSVに0-1で敗戦。その結果以上に、内容があまりにも酷かった。この試合後、SNSではファンの監督更迭を求める声が膨れ上がったほどだ。
今季2部リーグから昇格したクラブに、多くを求めているわけではない。だからゴール裏のファンは、どんなことがあってもサポートするとシーズン前に約束していた。だが、それはチームが全力で試合に取り組むという条件下の中でのこと。それがハンブルガーSV戦ではなかった。
キャプテンのハンノ・ベーレンスは、ハンブルガーSV戦後に「マインツ(1-2)、ブレーメン(1-1)と良い試合をした後に今回のようなパフォーマンスは説明できない。また気持ちを持ったプレーを取り戻さなければ」と話していたが、結局その3日後に行われたハノーファー戦でもそうした姿を見せることができず。前半11分に退場者を出した後、しばらくは五分五分の試合展開に持ち込むことができていたが、後半はほとんどシュートシーンを作れなかった。
久保裕也はこの日、そんな厳しい状況下での途中出場となった。0-1で迎えた後半31分にFWテアレス・クネルと交代で出場し、右インサイドハーフに入る。攻撃で変化をつけようとする久保だが、その意欲が残念ながら失点に結びついてしまった。出場直後の同32分、右ハーフスペースでボールを持った久保はそこからFWにパスを当てようとするが、このボールをインターセプトされてしまう。ハノーファーはそこから2本のパスでFWニコライ・ミュラーへつなげ、試合を決定づける2点目を奪った。
中野吉之伴
なかの・きちのすけ/1977年生まれ。ドイツ・フライブルク在住のサッカー育成指導者。グラスルーツの育成エキスパートになるべく渡独し、ドイツサッカー協会公認A級ライセンス(UEFA-Aレベル)所得。SCフライブルクU-15で研修を積み、地域に密着したドイツのさまざまなサッカークラブで20年以上の育成・指導者キャリアを持つ。育成・指導者関連の記事を多数執筆するほか、ブンデスリーガをはじめ周辺諸国への現地取材を精力的に行っている。著書『ドイツの子どもは審判なしでサッカーをする』(ナツメ社)、『世界王者ドイツ年代別トレーニングの教科書』(カンゼン)。