香川の元指揮官がスペインで苦境 英紙は「創造性のある選手を窒息させる」と批判

続く強豪との対戦 解任論は時間の問題か

 マンチェスター・ユナイテッドを率いていた時期も、日本代表MF香川真司や、スペイン代表MFフアン・マタといった、俊敏で高度なテクニックを持つ選手たちの起用法に疑問符が付けられていた。スピードとフィジカルに強みを持つウインガーを重用してクロスで攻撃を組み立てるモイーズ・システムは、スペインでも健在であり、批判されるポイントも変わっていないことが窺われる。

 そして最後のポイントが、「必要最低値」を上回っていないこと。成績上「必要最低値」を上回っていると主張するのは困難だと、手厳しい言葉が並んだ。

 現時点でのソシエダの勝ち点6は、最下位からわずかに3ポイントしか離れていない。しかも、今後の6試合でアトレチコ・マドリード、バルセロナ、セルタ、セビージャといった強豪との対戦が続く日程を指摘している。降格圏に定着してしまう危機を提示し、その場合は間違いなくスペインで解任論が取り沙汰されるだろうとしている。

「モイーズはハッピーなクリスマスを迎えられるのか? 今のままでは、彼にとって最悪な記念日にしかならないだろう」

 今季開幕直後には、「私はここに残ることを幸せに感じているんだ。この10ヵ月間で、より選手たちのことをよく知ることができた。私の選手たちを信頼しているよ」と、スペインでの生活を楽しんでいると語っていたモイーズ監督。自らが気に入っている居場所を守ることができるのか。香川を1シーズン指導したスコットランド人指揮官は、正念場を迎えているようだ。

【了】

サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

 

 

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