ドルトムントに警鐘 ホッフェンハイム戦でファンが再暴走なら…“勝ち点剥奪”の恐れも
昨年9月のアウェー戦でホッフェンハイムの出資者ホップ氏を侮辱する横断幕を掲げる
ドイツ・ブンデスリーガで首位を走るドルトムントは、9日の第21節で8位ホッフェンハイムと本拠地ジグナル・イドゥナ・パルクで対戦する。この一戦もまた、8万人以上を収容するスタジアムに観衆が詰めかけることになると思われるが、ファンが再び暴走すれば厳しい処分が待っているだけに、クラブ側はハラハラしていることだろう。
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というのも、一部のドルトムントファンはホッフェンハイムの出資者ディートマー・ホップ氏に憎しみと言ってもよい感情を向けており、同氏を中傷するような横断幕を掲げることが常態化しているのだ。ホッフェンハイムの本拠地で昨年9月22日に行われた今季最初の対戦(1-1)でも、ドルトムントのファンが陣取ったスタンドでは、ホップ氏を侮辱するような横断幕が掲げられた。
なかでも悪質だったのは、ホップ氏の顔に銃で照準を合わせるかのように赤いラインを引いた巨大バナー。こうした行き過ぎた行為を受け、DFB(ドイツサッカー連盟)のスポーツ裁判所は昨年11月、ドルトムントに対し5万ユーロ(約620万円)の罰金支払いを命じるとともに、今後3シーズンはホッフェンハイム戦にドルトムントサポーターの入場を禁止するとの処分を下した。これは2022年6月30日までの執行猶予付きだが、再びホップ氏への暴言があった場合は猶予が取り消される。
ドイツ紙「ビルト」によれば、もし今回もホップ氏に対し“ヘイト”が向けられるようであれば、勝ち点剥奪も考えられるという。DFBスポーツ裁判所長のハンス・E・ロレンツ氏は、同紙に対し「競技には干渉したくないと思っている。それは我々が最も避けたいことだ」としつつも、場合によっては非常に厳しい処分もあると示唆。「勝ち点剥奪の確率はわずかだが、ないとは言えないし、そう言うつもりもない」と述べた。
ホッフェンハイムはSAP社の創業者であるホップ氏が1990年代に資金援助を開始。“パトロン”の支援を元に、当時8部だったチームは2008年に1部昇格を果たし、現在に至るが、一部のドルトムントファンはホッフェンハイムをいわゆる“成金クラブ”とみなして不快感を示しており、ホップ氏に敵対心を向けている。
ドルトムントは第20節終了時点で、2位ボルシアMGと3位バイエルンに勝ち点7差をつけているが、優勝を争ううえでは1ポイントでも取りこぼすことはできない。ロレンツ氏は「あの処分を科すことで、我々はファンに自己責任を呼びかけたかった。今後3年間、ホッフェンハイム戦に入場できるかどうかは、彼ら自身にかかっている」とコメント。ドルトムントのファンには自制心が求められるが、9日の試合を問題なく終えることができるだろうか。
(FOOTBALL ZONE編集部)