余裕を見せるファン・ハール 決戦を前に成績不振の敵将ベンゲルを擁護

解任騒動を一蹴し「世界最高の1人」と評価

 マンチェスター・ユナイテッドのルイス・ファン・ハール監督が、今夏の補強の乏しさとUEFAチャンピオンズリーグ連敗により、解任の声も高まっているアーセナルのアーセン・ベンゲル監督を、「世界最高の1人」と高く評価していると、衛星放送「スカイ・スポーツ」が報じている。

 ガナーズの愛称で知られるロンドンの強豪は今、激震に襲われている。十分な補強を行うと見られていた夏の移籍市場では、チェルシーからチェコ代表GKペトル・チェフを獲得したものの、即戦力のフィールドプレーヤーを加えられず。特にクラブのレジェンドであるティエリ・アンリ氏から、ワールドクラスのストライカーの補強が急務と指摘されながらも、このオペレーションに失敗。フランス代表FWオリビエ・ジルーがCL初戦で退場となり、悪い流れを呼び込んだことから、ベンゲル監督に対する解任論が高まっている。

 一方、対照的に2年連続の大型補強が奏功し、リーグ首位に立つユナイテッドの指揮官はベンゲル監督を讃えている。「思うに、アーセン・ベンゲルは世界最高の監督の1人だ。同じようにサー・アレックス・ファーガソンも最高の監督だと思う。なぜなら、最もタイトルを獲得した指揮官だからだ」と、ファン・ハール監督は語った。

 1996年10月の就任以来、ベンゲル監督はじつに20シーズンにも及ぶ長期政権を築き、エミレーツスタジアムの建設、逸材の発掘と育成、そしてショートパスと連動性をベースにした美しい攻撃的なサッカーを実現。クラブに多大な貢献を果たしてきたものの、近年に獲得したタイトルは2013-14、14-15シーズンにFAカップを連覇したのみ。肝心のリーグタイトルは、03-04シーズン以来、手にできないでいる。

 そのため、周囲からの批判の矢面に立たされているフランス人指揮官に対し、ファン・ハール監督は「言うことは簡単だが、アーセン・ベンゲルに関しては、これだけ長い間1つのクラブで過ごし、ファン、経営陣、選手、全員を満足させている。それはとても優秀な監督であるということだ。私の発言を信じてもらっていい」と断言した。

 

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