浦和の名将オリヴェイラ、“実戦より練習”に滲む信念 「90分の練習試合はやらなくていい」
キャンプ最終日に初の対外試合を実施 監督は“昨季をベースにしたシーズンイン”を想定
J1浦和レッズは8日に、沖縄県での1次、2次キャンプを通じて初の対外試合となる沖縄SV戦を戦った。計110分(50分×1本、60分×1本)の変則マッチだったが、それぞれの選手のプレータイムは50~60分。公式戦前に一度も90分間のトレーニングマッチを行わずにシーズンに入る理由について、オズワルド・オリヴェイラ監督は「90分の練習試合はやらなくて良いと考えている」と、その信念を語った。
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浦和は1月22日に始まった8日間の1次キャンプで連日、ボールを使ったフィジカル強化のメニューを実施。2部練習でまったくオフのない時間を過ごし、ハードな追い込みを見せた。これは、多くのチームや監督が1次キャンプを体力作りという点において同様の期間として捉えるだろう。また、1日から8日間の2次キャンプでは、フィジカル強化と並行して戦術的なトレーニングも増えた。それも多くのチームが採る手法だが、特筆すべきは90分間の試合を一度も組まずにキャンプを終えたことだ。
8日の沖縄SV戦では、最初の50分間で昨季レギュラーを張っていた主力に新加入の日本代表FW杉本健勇とブラジル人MFエヴェルトンを加えてプレーさせた。それでも指揮官は「青木と武藤も、コンディションが良ければ今日の1本目に出ていただろう。新加入の選手も大事だが、彼らは順応している途中だ。タイミングを見て起用していきたい」と、負傷離脱中のMF青木拓矢とFW武藤雄樹の優先順位が高いことを示唆した。あくまでも、“昨季をベースにしたシーズンイン”を考えているようだ。
そのなかで、対外試合をほとんど組まずにプレシーズンを過ごすことには、指揮官の経験から来る信念がある。昨季の4月末に就任したオリヴェイラ監督は、6月のロシア・ワールドカップによる中断期間に行われた静岡県でのキャンプで行った2試合のトレーニングマッチも、本来なら実施したくなかったことも示唆した。
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