運命を決する4時間前にも見逃せない「コスタリカ対イングランド」と、「ウルグアイ対イタリアの」の好カード
組織のイタリアと、個のウルグアイ
さて、正念場になるのが、イタリアとウルグアイだ。それぞれの勝ち抜けの条件に関しては非常にシンプル。イタリアは勝利か引き分け、ウルグアイは勝利のみで、決勝トーナメント進出が決定する。イタリアにもウルグアイにも得失点差によって1位通過の可能性はあるが、まず目指すべきは決勝トーナメント進出であり、それを気にするのは二の次だろう。
まずイタリアのチーム状況だが、中盤のデ・ロッシがふくらはぎのけがで欠場濃厚という報道がある。だが、左サイドバック(SB)のレギュラーであるデ・シーリオが大腿部の負傷から戻ってくる。
一方のウルグアイは、イングランド戦から大きな変更なく臨むようだ。ここにきて主将のディエゴ・ルガノの復帰がうわさされているが、まだけがが完治したわけではないので出場は微妙な状態だ。また、右SBのマキシ・ペレイラも1次リーグ最終戦までの出場停止(コスタリカ戦でレッドカードを受けたため)が決まっている。
この一戦の試合展開だが、序盤はイタリアが攻め、ウルグアイがカウンターを狙うという形が予想される。イタリアは、ピルロを中心としたボール回しでゴールへと迫り、最前線のバロテッリにボールを集めていく。攻守に渡って組織と個が融合されたサッカーを披露してくれるだろう。
一方、ウルグアイは組織的な守備でボールを奪い、フィニッシュは前線のエディンソン・カバーニと、ルイス・スアレスの個の力に頼ることになるだろう。イングランド戦でも2得点したスアレスは、ロングボール一本で裏に抜け出し、独力でゴールに結びつけることもできる力を持っている。
イタリアは、ある程度時間が経過した時点で負けていなければ、あるいは先制すれば、無理な攻撃を避ける可能性が高い。彼らには、伝統的な守備戦術、カテナチオがある。引いて守って勝負強く、決勝トーナメント進出を決めようとするはずだ。
もしも、イタリアがラインを下げて守った場合は、ウルグアイの苦戦は必至だ。相手を引きずり出し、得点を決めるバルセロナのようなパスワークを彼らは持ち合わせていない。ウルグアイはその展開を避けるためにも、早い時間帯での先制点を望んでいるはずだ。後半に入った時点でリードを許している場合、あるいは、同点の状態が続くようであれば、J1リーグのセレッソ大阪所属フォルランなど攻撃的なカードを切る可能性は高い。
この一戦は、多くのゴールが期待できる試合にはならないかもしれない。ただ、1点を争う、高度な守備戦術や、緊迫した攻守における数々の駆け引きが随所に見られるはずだ。早寝を予定していた人にも寝不足覚悟で、両国が織りなす緊張感のある試合を楽しんでほしいところだ。
そのグループDのサバイバルマッチ、「イタリア対ウルグアイ」は日付変わって6月25日AM0:40より、テレビ東京系列で生中継される。生中継が見られない方には、同じくテレビ東京系列でPM6:57から「2014 FIFA ワールドカップ DAILY」内で、グループC、D全試合のダイジェストを放送予定である。ぜひともチェックして欲しい。
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サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
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