マンUは真の復活を遂げたのか? 元主将OBが訴え「サッカーを知る人間に決定権を」

スールシャール暫定政権下で公式戦10戦無敗のマンチェスター・ユナイテッド【写真:Getty Images】
スールシャール暫定政権下で公式戦10戦無敗のマンチェスター・ユナイテッド【写真:Getty Images】

“魔の3年目”でモウリーニョ退任後、スールシャール暫定政権下で公式戦10戦無敗

 2018年12月18日、マンチェスター・ユナイテッドのジョゼ・モウリーニョ監督が退任した。成績不振による事実上の解任劇だが、奇しくも3年前のチェルシー解任も同日の2015年12月18日という偶然。さらに驚くことにこれで第一次チェルシー、レアル・マドリード、第二次チェルシーに続き3シーズン目での退任が4度目。まさにポルトガル人闘将にとっては“魔の3年目”としか言いようがない結果となった。

 ユナイテッドにとって第17節終了時点の7勝5分5敗の勝ち点「26」という成績は、1992-93シーズンのプレミアリーグ創立以来最悪だった。さらに来季のUEFAチャンピオンズリーグ(CL)出場権獲得圏内となる4位との勝ち点差も大きく開き始めていたこともあり、ここで監督を代える決断は当然ある(実際にオレ・グンナー・スールシャール暫定監督の下で、公式戦10戦無敗の快進撃を続けている)。

 また、その解任につながった不振要因については、昨夏にモウリーニョが要望したセンターバック補強の失敗、ポール・ポグバをはじめとする主力選手との確執、自身の守備的なスタイル、また就任以来獲得した選手がことごとく活躍しなかった等々、退任に至るまでの半月余り、英国の各メディアが喧々諤々報道し、大勢の関係者がさまざまな証言をして、意見を述べた。

 その無数のコメントの中から筆者の興味を特別に惹いたのが、元ユナイテッド主将ギャリー・ネビルの発言だった。

 モウリーニョ退任を受けた英衛星放送「スカイ・スポーツ」の特別番組中、ネビルは元チームメートで前任の主将だったロイ・キーン、そしてリバプールOBのグレアム・スーネスとジェイミー・キャラガーが同席した座談会で、突然声を張り上げてこう主張した。

「(デイビッド・)モイーズも(ルイス・)ファン・ハールも実績のある良い監督だった。モウリーニョに至っては直近の15年間で(ジョゼップ・)グアルディオラと並び称される世界最高の監督だ。ジョゼが思い通りの補強ができなかった? そんな単純な問題じゃない。もっと深い、根本的な問題がある。なぜ彼が成功できなかったのか、それには監督以前の問題が存在する。まずクラブ全体をリセットしなければならない」

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森 昌利

もり・まさとし/1962年生まれ、福岡県出身。84年からフリーランスのライターとして活動し93年に渡英。当地で英国人女性と結婚後、定住した。ロンドン市内の出版社勤務を経て、98年から再びフリーランスに。01年、FW西澤明訓のボルトン加入をきっかけに報知新聞の英国通信員となり、プレミアリーグの取材を本格的に開始。英国人の視点を意識しながら、“サッカーの母国”イングランドの現状や魅力を日本に伝えている。

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