セリエAで1年間ノーゴールの10番 正念場のミラン本田は沈黙の扉を破れるか
救世主という喝采は、いつしか疑問符へ
今季のリーグ戦でノーゴール、ノーアシストと結果を残すことができず、イタリア各紙から厳しい批判にさらされているACミランの日本代表FW本田圭佑。2013年12月にロシアのCSKAモスクワからミランへの移籍が正式発表されると、栄光の背番号10とともに大々的な記者会見が行なわれ、本田の口から飛び出した「リトル・ホンダ」という言葉は強い印象を残し、世界中に伝えられた。
昨季は、リーグ開幕から絶好調だった。ラツィオとの開幕戦で先制ゴールを挙げると、大きな波に乗る。2節のパルマ戦、4節のエンポリ戦、6節のキエーボ戦とゴールを積み重ね、7節のヴェローナ戦ではイタリアに移籍後、初の1試合2ゴール。7試合で6ゴールを挙げ、ミランの救世主として喝采を浴びた。
しかしそれ以降、リーグ戦で本田のゴールは生まれていない。前任のフィリッポ・インザーギ監督はそれでも信頼を与え続けて本田を起用したが、背番号10が試合のスコアを動かすことはなかった。次第にサンシーロのミラニスタやメディアから、10番を背負う本田の技量について疑問符が付けられることになった。
今季の開幕前には、去就問題も浮上した。実際に、ドイツ・ブンデスリーガのシャルケは身分照会をしたほどだ。中国で開催された7月のインターナショナル・チャンピオンズカップなどでも結果が残せず、ベンチ要員になると報じられもした。
それでも、リーグ開幕直前のイタリア杯3回戦のペルージャ戦で輝きを放つ。1ゴール1アシストの活躍でチームを勝利に導き、リーグ開幕戦のスタメンの座を勝ち取った。しかし、そこからはまた沈黙の日々が続いている。
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