「交代カードの切り方は遅かった」 金田喜稔が抱いた森保采配の疑問点「我慢強い男だが…」

後半44分からの出場となったMF乾【写真:Getty Images】
後半44分からの出場となったMF乾【写真:Getty Images】

ベンチワークの物足りなさを指摘 「負けているチームの采配とは思えなかった」

 昨年9月に発足し、4バックをベースに戦ってきた森保ジャパンの強化の流れを見れば、3-4-2-1へのシステム変更は現実的ではないかもしれない。ただ金田氏は「今大会の7試合を通じて言えることだけど、試合中のシステム変更だったり、先手を打って守備に入る、あるいは攻撃に出ていくための選手交代というのがあまり見られなかった」と、ベンチワークの物足りなさを指摘する

「カタール戦での選手交代のタイミングを見ても、1枚目の武藤を入れたのが後半17分で、伊東は後半39分、乾は後半44分。この交代カードの切り方は、今大会ずっと続けてきたものと同じで、正直、負けているチームの采配とは思えないもの。伊東と乾に、あの短いプレー時間の中で何を求められるだろうか。前半を0-2で終えたカタール戦の展開を考えれば、1枚目の武藤は後半開始から投入してもおかしくないし、交代する相手も原口ではなく守備陣から一人削る方法もあった。後半24分に南野が1点を取ってからはさらに日本のリズムになったから、そこで畳みかけるような采配があっても良かった。

先ほども話したように、森保監督は我慢強い男だから、アジアカップ決勝という緊迫したゲームの中でも、選手の成長を促す意味でじっと我慢していたのかもしれない。あえて動かなかったのか、それとも動けなかったのか……。そこは本人に聞いてみないと分からないことだけど、いずれにしても大会全体を通して、監督の判断や交代カードの切り方は遅かったと感じる」

 中島翔哉(ポルティモネンセ→アル・ドゥハイル)をはじめ、大会前から負傷者が続出し、思い描いたチーム作りができないなかで日本を決勝に導いたのは、森保監督の手腕あってこそ。金田氏もその点を称えながら、試合中の采配には物足りなさを感じたという。日本代表は今後、国際親善試合や6月のコパ・アメリカ参戦を経て、9月からは2022年カタール・ワールドカップのアジア予選に挑む予定だ。負けられない戦いが再び始まるなか、いかにチームとしての戦術的な“引き出し”を増やしていくのか。森保監督のチーム作りは、アジアカップ準優勝を出発点として本格化していくはずだ。

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