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【W杯詳細分析・ポルトガル―アメリカ】前半はアメリカ、後半はポルトガルのゲーム 死闘の裏で見られたアメリカの決定的な“変化”とは
前半に見事なパスサッカーを見せたアメリカ
ところがこの日のアメリカの前半の戦い方は初戦と異なる顔を見せた。
技術の高いポルトガル相手にポゼッション率が51.2%、パスの成功率86.5%、パス数はガーナ戦のほぼ1試合分に相当する259本だった。このまるで異なるチームのようなスタイルにバリエーションを加えたのが元ドイツ代表で、バイエルンミュンヘンでも指揮を執ったクリンスマン監督だ。
パスが増え、成功率も高まったが、それは相手の守備をボール付近に集結させるためで、狙いはその周辺にある広大なスペースを利用して効率的にゴールに向かうことだ。前半、流れからのクロスは2本のみだったが9本のシュートを放った。開始5分にクリアミスからマンチェスターユナイテッドでプレーするナニに先取点を決められはしたが、アメリカのDNAとパスサッカーの伝道師クリンスマンの戦術が見事に融合した試合運びだった。
最初のイラストを見てほしい。これは前半、ピッチ上のどの位置でプレーしていたかと、ポゼッション率を示したものだ。ポルトガル相手に若干だがポゼッションを上回り、さほど押し込まれることもなく中盤でプレーする比率が高かったことが分かる。
だが、後半は一転してポルトガルのゲームだった。