【W杯詳細分析・ポルトガル―アメリカ】前半はアメリカ、後半はポルトガルのゲーム 死闘の裏で見られたアメリカの決定的な“変化”とは

 この2チームはこれまでに5回の対戦があるが2勝2敗1分け、双方ともに得点5と全くの五分だ。実は2002年のワールドカップでこの2チームの試合で変わった記録がある。結果は3-2でアメリカが勝利したのだがこの試合で2つのオウンゴールが生まれた。1試合で2回のオウンゴールというのはこの大会では初の出来事だった。

 そんな2チームの対戦は、アメリカは勝てば決勝リーグ進出が決まり、ポルトガルは負ければ最終戦を待たずにグループリーグ敗退が決まるというゲームとなった。この試合を表現すれば、前半は双方のサッカーのスタイルが色濃く出た試合であり、後半はスタイル云々ではなく大げさに言えば国の威信かけた死闘だった。

 どの様に試合が進められていったのか、それぞれどのようなスタイルのチームなのか見ていこう。

 これまでのアメリカはカウンター中心のチームで、ある程度フィジカルと強烈なメンタルで押すという印象があった。たとえればアメフトのようなサッカーだ。パスの出し手が前方裏に向かって放り込み、そのまま行ければゴールに向かうが、ダメでもファーストダウン、セカンドダウンと前方向にゲインするイメージだった。

 初戦のガーナ戦でのアメリカのポゼッション率は38.3%、パスの成功率73.5%、パス数275本、シュート8本、そして流れからのクロスは4本のみだ。つまりサイド起点に中に折り返すような遠回りはせずに最短距離でゴールに向かう戦術はさながらアメフトのショットガンフォーメーションのようだ。

 

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