ソン・フンミンは韓国代表でなぜ輝けないのか? 母国で過熱するエースの“起用法”論争
「ソン・フンミンのスピードを生かしたカウンターは相手の脅威」
そのうえで同サイトは、「ソン・フンミンの活用法を一度、考えてみてはどうか。ソン・フンミンはベント監督の下、まだ1点も決められていない。アジアカップではサイドとトップ下でプレーしたが、噛み合っていたとは言い難い。守備への負担もあるポジションでは体も重く感じられた。最前線のフォワードに置いてみてはどうか」と意見を述べている。
「ソン・フンミンが最前線にいるとなれば、ミッドフィールダーへの守備負担が大きくなるが、その代わりセンターサークル付近から爆発的なスピードでカウンター攻撃に加わることができる。ソン・フンミンのスピードを生かしたカウンターは相手の脅威になる」
トットナムのメンバーと代表とでは、周囲の選手の能力や戦術で大きな違いがあるだけに、すぐに結果を残せるとは言い難い。ただ、ソン・フンミンが代表における絶対的なエースであることを考えると、もう少し起用法を熟考する必要があるかもしれない。
そんななか韓国には今、新たな才能が登場している。1月30日にバレンシアのトップチームに正式登録されたばかりの17歳MFイ・ガンイン、21歳MFペク・スンホ(ジローナ)、19歳のMFチョン・ウヨン(バイエルン)の3人に注目が集まるが、彼らをA代表に招集するのかどうかは未知数だ。
韓国代表は3月と6月にそれぞれ2試合の親善試合を行う予定で、その後に9月からカタールW杯アジア2次予選が始まる。アジアカップで失意を味わったベント監督が、どのような選手を招集し、チームを作るのか。時間はそこまで多く残されていない。
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(金 明昱 / Myung-wook Kim)
金 明昱
1977年生まれ。大阪府出身の在日コリアン3世。新聞社記者、編集プロダクションなどを経てフリーに。サッカー北朝鮮代表が2010年南アフリカW杯出場を決めた後、代表チームと関係者を日本のメディアとして初めて平壌で取材することに成功し『Number』に寄稿。2011年からは女子プロゴルフの取材も開始し、日韓の女子ゴルファーと親交を深める。現在はサッカー、ゴルフを中心に週刊誌、専門誌、スポーツ専門サイトなど多媒体に執筆中。近著に『イ・ボミ 愛される力~日本人にいちばん愛される女性ゴルファーの行動哲学(メソッド)~』(光文社)。