アジア杯V逸で始まる「日本代表シャッフル」 いつか“意味のある”敗戦に書き換えられるか
ベルギーで好調な鎌田、欧州挑戦の板倉や中山らにもチャンス
「結局優勝できなかったので、これは監督自身も、特にベテランの僕とかを今後どうするかというのは考えると思いますよ。僕が逆の立場だったら考えますからね。優勝していたら精神的にも支えてくれたとか、そういった評価もまた出てくるのかもしれないですけど、優勝しなかったら何も価値ないですよ。これがもしかしたら、最後になるかもしれない、僕の代表が。でもそうならないためにちょっと根性を持って、根性入れてやります」
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こうした状況は、良い意味でのシャッフルを起こすきっかけにもなりうる。確かに実力や経験から考えればエースとして認められる大迫をはじめ、ロシアW杯からチームに残っている長友、吉田、柴崎、酒井宏樹(マルセイユ)、原口あたりは代表チームから外し難い選手たちだが、そうした選手すらも立場が保証されない状況を一度作り出すことは、競争力の活性化という意味では悪いことではない。それは南野拓実(ザルツブルク)や堂安律(フローニンゲン)といった”森保ジャパン”で頭角を現し、大会前には主力としての活躍が期待された選手たちにも言えることだ。
次の目標となる6月のコパ・アメリカは、そもそもクラブの都合で参戦できない選手も出てくるなかで、森保監督も候補の枠をかなり広げてチェックするはずだ。A代表と兼任する東京五輪世代はもちろん、怪我などの理由で今回招集を見送った選手、中島翔哉(ポルティモネンセ)など大会前に離脱した選手、ここから飛躍的な活躍でアピールしてくる選手などだ。
ベルギーで得点を量産する鎌田大地(シント=トロイデン)、Jリーグからオランダにチャレンジの場を移した板倉滉(フローニンゲン)や中山雄太(ズヴォレ)といった選手にもチャンスが巡ってくるはずで、またここまでなぜか招集されていない久保裕也もニュルンベルクで結果を出せば、序列を覆す可能性は十分あるだろう。
今回は追加招集で1得点に終わった武藤嘉紀(ニューカッスル)も、「ここ(プレミアリーグ)で結果を出せれば自信にもなりますし、もっと貪欲に成長するために、自分を奮い立たせないといけない」と、早くもクラブでの戦いに意識を向けていた。その意味ではベルギーのヘンクに移籍が決まった伊東純也の新天地での成長などにも期待したいところだ。
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河治良幸
かわじ・よしゆき/東京都出身。「エル・ゴラッソ」創刊に携わり、日本代表を担当。著書は「サッカーの見方が180度変わる データ進化論」(ソル・メディア)など。NHK「ミラクルボディー」の「スペイン代表 世界最強の“天才脳”」を監修。タグマのウェブマガジン「サッカーの羅針盤」を運営。国内外で取材を続けながら、プレー分析を軸にサッカーの潮流を見守る。