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“エデンの弟”トルガン・アザールが抱いた苦悩
兄との比較に苦しみ続けた過去
元チェルシーで、現在はボルシア・メンヘングラッドバッハ(ボルシアMG)でプレーするベルギー代表MFトルガン・アザールが、チェルシー時代の苦悩を英地元紙「ザ・タイムズ」で語っている。チェルシーで10番を背負い、今や世界最高の選手の一人となった兄のエデン・アザールとの比較に苦しみ続けていたという。
RCランスでプレーしていたトルガンは、同じくフランスでプレーしていた兄と同じく、2012年の夏にチェルシーに加入した。リールをリーグ制覇へと導き、「フランスリーグ最高の若手選手」との触れ込みで期待を一身に集め、すぐにレギュラーの座をつかんだ兄とは裏腹に、トルガンは加入直後に母国ベルギーのズルテ・ワレヘムへ期限付き移籍した。
「チェルシーでのプレーは難しいと思っていたよ。チェルシーでは1カ月しか過ごさず、すぐにローン移籍した。僕は、自分の道を歩みたかったんだ。ベルギーに行く前は“エデンの弟”に過ぎなかったけど、ベルギーに行って僕に何ができるのかを証明したことで、誰も僕を“エデンの弟”とは呼ばなくなった」
トルガンは2013-14シーズンに、ズルテ・ワレヘムでリーグ戦39試合に出場し、14得点をマーク。その活躍がチェルシーへの復帰につながることはなかったが、昨夏にブンデスリーガへの挑戦権を手に入れ、兄と同じ10番を背負いボルシアMGで2年目のシーズンを戦っている。
一方、エデンは昨季チェルシーをリーグとリーグカップの二冠に導き、プレミアリーグMVP、記者協会MVP、選手協会MVPと個人賞も総ナメに。今季、チームは不振にあえいでいるものの、エデンは絶対的な主力として、プレミアリーグの主役の一人であり続けている。
偉大な兄の背中を追い続けるトルガン。今季のブンデスリーガで、過去の苦悩を払拭(ふっしょく)するほどの活躍を見せられるだろうか。
【了】
サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images