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ベトナムから見た“アジア杯8強”の歴史的舞台 戦いの裏に見えた日本への敬意と野心
スタジアムに集結した“出稼ぎ労働者” 日越戦の裏に透けて見えた“小さな日韓戦”
越暦の旧正月“テト”を控え、休暇モードが漂い始めたベトナム。しかし快進撃を続けるベトナム代表の試合となれば、活動的にならずにはいられない国民性だ。迎えた24日の“日越戦”にベトナム全土が色めき立った。
ベトナム人にとってつながりが深く、また“憧れの国”でもある日本。そんな日本代表と、サッカーにおけるアジア最高位の大会の準々決勝で相まみえるのだから、彼らの興奮度合いは理解できるものだった。
試合前日の公式会見でのことだった。ベトナム代表を率いる韓国人のパク・ハンソ監督は、母国メディアの質問には笑みを交えながら和やかに受け応えしていたのだが、日本メディアの質問になると素っ気なかった。
1981年3月8日、東京・国立競技場で行われた日韓定期戦。結果は0-1、日本がホームで苦杯を嘗めたこの試合で、韓国A代表デビューを飾ったのが、紛れもないパク・ハンソだった。そしてこの試合が、彼にとって唯一のAマッチキャリアとなる。
パク・ハンソ監督にとっての“日本代表と闘う”意味――そこに多くの感情が重なっていても、なんら不思議はない。トレードマークの細縁丸眼鏡の奥に見える眼球から、それを強く感じた。
試合当日、会場となったアルマクトゥーム・スタジアムには8954人の観衆が集った。スタンドを見渡す限り、赤と青の割合は8対2で赤(ベトナム)が優勢。スタジアムを背景に自撮り写真を撮りまくるファンに聞くところによれば、ほとんどがUAE在住者だという。いわゆる“出稼ぎ労働者”が集結したことになる。彼らの正装、赤地に黄星のTシャツが実に映えていた。
試合はこの準々決勝から導入されたVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)に、振り回されることになる。前半24分、日本が得たコーナーキックからDF吉田麻也がヘディングで合わせてゴールネットを揺らしたシーンは、VARでハンドと判定されて取り消され、後半8分にDFブイ・ティエン・ズンがMF堂安律を引っかけた場面はVARでPK判定に覆った。これをモノにした日本が、虎の子の1点を守り切り準決勝進出を決めたのだった。
「日本が得たPKのシーンも含め、VAR判定は正しかった」と、パク・ハンソ監督は理解を示した。この試合でのVAR判定は、どちらにも平等だったとの認識なのだろう。
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