【データ検証】サウジ戦“支配率”23.7%の真実 「73.1%」の数値に見えた日本代表守備陣の成長
ゴールエリアに入らせなかった守備陣が叩き出した「73.1%」の数値
[DATA-3]は日本とサウジアラビアが敵陣ペナルティーエリア付近におけるデュエルの勝敗を表している。上が日本の攻撃におけるものだ。○が日本の攻撃時デュエルの勝利を表し、×がデュエルでの敗戦を表している。下はサウジアラビアが日本のゴール前に攻撃した際のもので、○がサウジアラビアのデュエル勝利を表し、×はサウジアラビアのデュエルでの敗戦を表している。
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日本は攻め込む回数こそ少なかったが、敵陣ペナルティーエリア内では13戦6勝、勝率は46.2%に及ぶ。ペナルティーエリア付近にまで拡大すれば19戦10勝、勝率は52.6%と半数を超えている。それに対してサウジアラビアは、攻撃におけるペナルティーエリアへの侵入回数こそ多いものの、エリア内でのデュエルは26戦7勝で勝率は26.9%、ペナルティーエリア付近にまで拡大すれば、40戦15勝となるが、勝率は37.5%と日本守備陣の奮闘ぶりが窺える。日本側の視点で捉えれば、自陣ペナルティーエリア内守備時のデュエル勝率は「73.1%」にも及んでいることが分かる。
また互いのデュエル勝利ポジションを比較すれば、日本は自陣ペナルティーエリア中央部のゴールエリア近くで勝利することができているのに対し、サウジアラビアは日本のゴールエリア近辺でのデュエル勝利がない。日本の守備陣は最後の砦となって、相手の攻撃を跳ね返し続けていた。
近年のサウジアラビアはパスを主体としたサッカーに転換していたこともあり、前線の選手の上背は低く、攻撃陣5名に180センチを超える選手はいなかった。最前線のFWファハドは168センチのスピードタイプであり、ゴール前に人が混在した際は自慢の快足を活かす機会は損なわれた。
今大会の日本代表は事前に多くの想定外な事態が起こり続けた。FW浅野拓磨、FW中島翔哉、MF守田英正の離脱に加えて大会中にはFW大迫勇也の負傷もあり、攻撃陣のテコ入れは必須となった。森保一監督就任後5試合の親善試合で見せた連動性のある攻撃は、確かに鳴りを潜めているかもしれない。しかしその代わりに、守備陣の成長に伴って、ポゼッションを高めて連動したパスサッカーを行うだけでなく、相手攻撃陣の癖や戦術を見抜いた対応力の高いサッカーを展開できるようになっている。
アジアの頂点まで残り3試合、日本代表はどのようなサッカーで勝ち進んでいくのだろうか。選手やチームの成長が、今後の試合でも数字上で感じ取れるかもしれない。
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(Evolving Data)
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